働きだしてからも覚えていたい、好きや理想の世界が実在するということ #人生100年時代の働き方

こんにちは、わたぽんです。

あと半年で大学卒業、そして就職も近づいてきて、働くことに関する話題にセンシティブになってる今日この頃。F1という夢を追って、いわば「理想の仕事」を追ってきた身として、ちょっと働き方について書き残しておきたいことがあります。

 

以前、ネットや参加してるコミュニティを徘徊してたところ、こんな記事を見ました。

「SEが独立してフリーランスになったら、年収が1000万円増えた!」

ケビン松永(@Canary_Kun)さんの実体験を描いた記事。景気が良い。なんとも景気が良い。フリーランスか、ふむふむ。最近たしかによく聞くよなあ。

でもここで今日考えたいのは、フリーランス最高!とか、みんなSEになるべき…なんてことじゃない。それはケビン松永さんもおっしゃってる通りで、「人生100年時代」と言われる中、どう働けばいいのかということが主題。うん、締まってきた。締まりすぎたかも。

 

実際そんな小難しいことを言いたいんじゃありません。ただ、「日本の会社で平社員」ばかり想像していたはずの自分が、突然夢を追い出して、海外進学して、実際に夢であったF1チームでもインターンとして働く経験もした。そうしてただ単純に思ったこと。それが、

自分の夢の世界は本当に存在して、実際に自分でも楽しむことができるんだ

ってことです。
この小さくて周りからはアホらしいと思われるような発見こそが、これから社会人として生きていくに当たって、重要になってくると思っています。

少なくとも、知る前の自分よりは絶対に良い。

 

 

世の職業が何も面白く見えなかった中学時代

中学の時に見えていた仕事をしてる大人達の姿は、あまり憧れるようなものではありませんでした。

朝早く起きて、決まった時間に会社に行き、好きなこととは違う何かを毎日する。残業が日常茶飯事で、社会人になったら人付き合いも大切だという。例え、嫌いな上司であったとしても。

実は僕の親にも、その影は落とされていました。
疲れとストレスをためて帰ってきていた、夜10時のお母さん。一緒に晩御飯を食べることはできなかった。

これが働くってことなのかな。

 

そういえば、中学生の時にちょうどリーマンショックも起こりました。アメリカの問題が世界中に波及するのは面白いなと思ったけれど、ニュースで見る溢れる失業者の姿に、怖い思いもしました。僕はこうなりたくないなあ。

 

社会人になるのが嫌だった。
社会人になるのが怖かった。

「まあ、社会ってそんなもんだよ」

そう誰かが言ってた気がする。

 

 

大人の言うことを信じられなかった先

果たして、今の僕は全く違う感情を抱いています。働きたくてうずうずしてる。やってみたいことがたくさんある。あんなにも嫌だと思っていた働くということが、楽しみの一つになっている。

全てはF1を知ってからでした。

 

週末にテレビで見るF1で働いている人達は、真剣で、大変そうで。でもエキサイティングで、やりがいがありそうでした。働いてるのに、泣いて笑って楽しんでる。レースを仕事にするって、なんて素敵な世界なんだろう。

良い大学を出たら、政治家や経営者、あるいは法律家にでもなって、たらたらと人生進んでくとばかり思ってました。けれど、中には大学ランキング世界一にもなるケンブリッジ大学で学んだことを使って、本気でレースすることを仕事にしてる人達もいるんだって。目からうろこ。僕だって、会社員でも学者でもなく、F1やりたい!

働くのが楽しみになったのは、この時です。

Brown F1 (2009)

でもキラキラした世界がずっと続いたわけではありません。

F1を目指してイギリスの大学に進学してからは、夢と現実の差を何度も何度も痛感した。現実からは平手打ちを食らい、夢からは遥か彼方から嘲笑われている気がする。そんな日々。

「夢だなんて、やっぱり一部の特別な人にしか叶えられないものなんかな」

諦めてしまってもよかったけど、どこか信じた世界を疑いたくない自分もいました。だからゆっくりでも、歩き続けてみた。そうして手が届いたのが、F1チームでのインターン。

 

 

誰もが楽しそうだった夢の仕事場

F1チームで働いてみて日々感じていたのは、周りの人がいつも楽しそうにしていたことです。そこには疲れやストレスで暗くなってる顔はありません。たしかに停滞が許されない仕事だから、疲れやストレスは出る。でもみんな、どこか楽しそう。

絶対的に言える共通点は、みんなF1が好きでF1チームで働いているということ。

考えてみれば、好きでもないのにわざわざこんな不安定で、給料も特別高くなく、他の仕事よりハードと言われる業界に来る人はいません。

それでもわざわざ、F1を選んで来た。

みんながレースという共通事項で繋がり、勝利や表彰台という共通目標を心の底から達成したくて働いてる。あるいは、ただレースしてるのが楽しい。

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そしてイギリスの田舎で暮らせたことも、大きかったです。

それまで街でしか過ごしたことがなかったけれど、イギリスの田舎ではスローライフが満喫できる。本当です。雑誌で特集されてるみたいに。村にある自宅で昼間っからビールを飲みながら、乗馬の練習をしてる子供が村を横切るのを見てたりする。ちょっと飲みすぎ翌日には、近くの飛行場までランニング。寒い夜は築250年の石造りの家で、薪ストーブに火を入れる。

チームには雪が降ると、四駆の車でここぞとばかりに走る人もいたりしました。その人、子供みたいに楽しそうにしてた。

そしてイギリスでは会社の昼休みにパブでビールを飲むなんて言うけど、本当に飲みました。最高でした。

仕事自体も目一杯やるけれど、余暇の時間も各々が好きなように楽しむ。

言葉で表すとなんの変哲もないことに思えるけど、それは中学生の自分が思い描いていた疲れとストレスに溢れる社会人の世界とは、大きな違いでした。世の中には色んな生き方・働き方があるんやなーって実感した。体で感じた。

 

 

理想の世界の存在を知る大切さ

中学生の自分はいわば、「現実なんて夢がなくて面白くない」と思っていました。
今の僕は、「憧れの世界って本当に存在するんだ」って思ってます。

F1で働けた、昔ひっそりと憧れてたスローライフも満喫してみた…。雑誌の世界が、現実になった。やってみて、特に後者については20代の間はちょっと違うかなーって思ったけれど。笑 でも知ったおかげで、またその生活がしたくなったら、戻ってこれば良いやって思ってます。場所は少し違うのかもしれないけれど。

その意味では、移動や転職に対する未知感も減りました。F1では転職なんて当たり前。それを目の当たりにしたのもあったと思います。

 

僕はみんなに「夢を持とう」って言いたいわけじゃないけど、誰しもそれぞれ、自分のしたい生き方・働き方があると思います。

お金が欲しい/収入は最低限でいい
都市部が良い/田舎が良い
のんびりした職場/緊張と興奮に包まれた職場

……

そういう要素を重ね合わせた時に、本当にそんな仕事、あるんだろうかって思っちゃう。

でも僕は言えます。

ある。
自分が知らないだけで、あるはずだって。

あるいは完璧ではなかったとしても、自分には不可能だって思ってる生き方や働き方が、世界のどこかではできちゃったりする。まさかF1で働きながらスローライフなんて、両方同時に楽しめるなんて思ってなかったしね。

Post-war Vintage Race Car

 

冒頭のケビン松永さんの例で言えば、フリーでシステムエンジニアをするという道があると知ったことが、大きなきっかけとなったようです。知るまでは、独立することを断念していた。知ったことで、新たな道が開けた。

 

選択肢を自分の手中に収めておくことは、本当に大切なことだと思います。

だから色々な選択肢を知るためにも、若い間にどんどん挑戦と逃げをしていきたい。今知ってる選択肢が全てだなんて思わないし、さらに多くを五感を通して知るには、実際に動いて、挑んで、見てみるしかない。そして場合によっては、挑戦より逃げる方が、より理想に近い生活が待ってることもある。だから、挑戦と逃げ。

やろうとすれば、どんな生き方だってできると思う。あるいはそう知っているだけでも、働くことに対する向き合い方が変わるんじゃないかなーと。

 

 

わたぽんのまとめ的なにか

今はF1以外での就職を考えています。これから働きだすと、もしかしたらF1以上に楽しくはないなーなんて、感じるかもしれません。ストレスを抱え、また悩むのかもしれません。

でもF1でインターンをしたことで、世の中には好きなことで仕事をしている人達が本当にいて、日々の過ごし方にも自分が想像していた以上の幅があると知りました。

そんな世界があるってことを実際に肌感覚で知れて、心から良かったなって思います。知らなかったら、「理想の生き方なんて馬鹿らしい」と、他の選択肢を考えないようになってたのかもしれない。

だからみんなにも、今あることだけが自分の全ての選択肢だなんて思ってほしくない。まだ具体的なやり方は分からなくても、理想の世界はあるんだって、のんびりと、時に本気で、色々やってみて、仕事にも将来にも向き合っていけばいいんじゃないかな。そう思えるだけでも、気が楽になる。

人生100年時代だなんて言うけれど、どうせ長い間働くんだったら、僕は自分の理想をどんどん追い求めてみたい。

以上、わたぽんでした。ほなね!



わたぽんの簡単な自己紹介

わたぽん(@wataponf1_uk)
高校生の時に「F1マシンをデザインしたい!」という夢を抱き、F1の中心地:イギリスへ。サウサンプトン大学で宇宙航空工学を専攻中。未熟で失敗ばかりするも、その度に這い上がってきた。そして渡英4年目には、念願であったF1チームでのインターンも獲得。自分と未来を信じて、夢は叶えられると証明したい。詳しいプロフィールはこちら

ブログ「わたぽんWorld」について

僕、わたぽんの「F1のエンジニアになる」という夢を叶える道を綴るブログ。2014年に運営開始。夢に近づけば近づくほど、更新頻度が減っていきます。
テーマは夢とイギリス留学。僕の生き方が励みになると言っていただくことが増えてきて、とても嬉しいです!

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プロフィール

わたぽん(@wataponf1_uk)

高校生の時に「F1マシンをデザインしたい!」という夢を抱き、F1の中心地:イギリスへ。サウサンプトン大学で宇宙航空工学を専攻。そして渡英4年目には、念願であったF1チームでの1年インターンも獲得。現在は卒業し、日本でF1から離れ生活中。 詳しいプロフィールはこちら


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