趣味を仕事にして思った8つのこと

こんにちは、わたぽんです。

「趣味を仕事にする」のは、良いことなのか? 悪いことなのか?

仕事選びには無数の意見やアドバイスが飛び交ってますが、イマイチしっくり来てませんでした。結局、どうなんだろう?と。

 

それを試すため…ではないんですが、今年F1チームでインターンを始めて、趣味が仕事になりました。

ついこの間まで、大学で趣味でやっていたことの延長…と言ったらプロの世界では怒られそうですが、基本的な部分は本当に同じなのです。

車を改良する。速くする。
それも僕の好きなエアロダイナミクスを使って。

さて、趣味だったことが仕事になって、何を感じたのか? インターンが始まってしばらくしばらくしたので振り返ってみると、8つのポイントが浮かび上がりました。

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楽しい

まず、当たり前と言えば当たり前なのだけど、とても楽しいです。お仕事楽しいです!

F1マシンを前に、こうしたら速くなるんじゃね?と毎日話し合ったり設計したりするのは、とても幸せ。ただただ嬉しい。

趣味を仕事にしてるんですから、そうでないと困るんですけどね。でないと趣味じゃないし。

 

仕事仕事って堅苦しく聞こえるけど、実際中の人達みんな楽しそうにやってます。特に僕のいるF1は特殊な世界なので、逆に興味がない人はほとんど立ち入らないんですよね。だから余計に、嫌々仕事してる人が見当たりません。

趣味を仕事にするネガティブな点としてよく挙げられる「好きなことやってるはずが、ストレスになった」ということ。僕の場合は、それがありませんでした。理由はきっと、締め切りや結果を出さなきゃいけないというストレスも、僕の好きなことの中に入っているからでしょうか。

物事を進めるペースや、一人でやりたい/チームでやりたいという好みは、同じ事柄の趣味でも違うと思います。そこを見誤ったら、趣味を仕事にしてストレスになるのかなって。

 

 

夜に時間が生まれた

趣味を仕事にしてるとは言え、僕はイーロン・マスク氏じゃないので一日20時間も働きません。

しかし夕方・夜に家に帰っても、なにしたらいいんでしょう?

 

始めの一か月、家に帰ると同時に空白になりました。

仕事後は満足感があります。
誤解を恐れずに言えば、昼間に”趣味を堪能した”のです。F1の情報は夕方までにたくさん仕入れた。もう夜帰ったら「あー疲れた。プシュッ(ビールの開く音)」で、QOLは十分。

思えば、今まで昼間に学校の勉強をし、趣味は夜にやっていたのです。
いくら大学で、好きでF1エンジニアを目指して勉強していたとは言え、全てが全て好きなことではありません。講義の中には、あまり好きじゃないなあというものもあります。試験もあります。

趣味としてレースカー作りをしてたのは、夜だったり、空き時間を見つけてやっていた。でもメインで趣味をやってしまうと、空き時間を同じ趣味に費やす必要がありません。

だから、新しい事に時間を使えるようになりました。他の趣味、例えばツイッター…じゃなくて、専門と関係ない読書だとか、スポーツだとか。

 

僕はいわば、趣味を仕事にするために進んできました。その過程では、いくつか犠牲にしたものもあります。小説を読む時間は空気力学の専門書の理解に充てられ、友達と飲みに行く時間はパソコンルームでデザインする時間に。旅行に使ってたお金は、毎日を効率よく過ごすために。

その時は進んでやったことではあっても、やっぱりやりたい事は全部したい。

だから趣味を”メイン”の仕事にしてしまえば、”サブ”で他の趣味にも時間を目いっぱい充てられるなと。

 

控えてた別の”趣味達”を思い出し始めたのは、一か月が経った頃。F1を見る前は、よくやってた別のこと。久しぶりに旧友と一緒に遊べるようになった、そんな気分です。

 

 

精神的にはそう単純じゃない

それでは精神的にはどうなのか?

これはもう少し複雑。

 

うまくいってる間は、もちろん精神的に楽です。好きなことやって、結果も出て、仕事しながら踊りだしそうなほどです。…踊りはしなくても、満面の笑みです。

 

じゃあうまくいってない時はというと…、
そう気楽ではいられません。

まず、責任感が大きいです。
僕は好きでワイワイやっていても、間違ったものが外に出てしまうと、それはとても申しわけない。ある意味仕事とチームに愛情があるため、うまくいかないと、自分の無能さに苛立ちを覚えます。

それにチームとしても、結果の出せない奴をいつまでも置いておくことはしないはず。

元より、イギリスを含む欧米の文化では、終身雇用は一般的ではありません。モンゴルの遊牧民ほどではないにしろ、結構動きます。つまり転職はするし、一般的に言って、追い出されることも日本よりかは確率が高い。

いつこの席を失ってもおかしくないんだと思うと、常に心穏やかにはやってられません。少なくとも僕は。

 

趣味が故に、そこにかける思いやこだわりも強くなります。
それが、時に苦しみさえをも与えます。(悪い苦しみじゃないけどね。)

 

 

周りと話が合う

しかし、人間関係に関しては、精神的に楽になる可能性が高いかなと。というのも、やっぱり話が合うから。

F1を見だした頃は、周りに話せる人なんてほぼ皆無だったのに、気づけば周りは僕より長い間F1の世界で働いてきた人達です。彼らの話は面白いし、興味深い。

また、境遇や背景も似た人が多いですから、その点でも話は合いやすい。

人間関係が楽だと、仕事場は一気に居心地の良い場所になりえます。

以前友達が教えてくれました。

“給料、人間関係、やりがい”の3つが満たされると、仕事に満足できる」だかなんだかと。

話が合うというのは、人間関係において重要です。

 

 

夢との差。

ところが、僕の中では少し合わない部分もありました。

目指してきた過程で、ちょっとずつすり合わせはしていたものの、「夢見ていたこと=現実」にはなりませんでした。違いは細部に宿るのです。(あれ?意味が違う気が…)

 

これは必ずしも悪いことではありません。

例えば、F1チームはイギリスのOxford – Northamptonのエリアに多くありますが、都会ではありません。むしろ田舎。Oxfordだって、行ってみると意外と小さいのに気づきます。

都会で育った僕にとって、この田舎暮らしは悪くありません。

初めての経験。
人の多くないところに住みたいな、でも仕事がネックかなと、子供ながらに思ったことがあります。それを解決できた。田舎に住んでる。ちょっとした嬉しい誤算です。でもなんだか寂しい気もする。街の喧騒にもまれたくもなったりもする。まだ分からない。

 

逆に、例えばもしやりたかったことに相違点があれば、仕事に対する満足度も減るかもしれません。一つ目に「楽しい」という点を挙げましたが、趣味…に近いけど少し違うものを仕事にしてしまうと、むしろ痛みしか伴わないかもしれません。

 

他にも仕事に関して、夢と現実の差はちらほらありますが、さすがにそれは書けません。。

一つ言えること、それは、

“その差異は、良い方向にも、悪い方向にもある”

ということ。
現実は永久機関を伴ったユートピアではないのです。

 

 

隣の芝生はまだ青い

一つ面白いなと思ったのは、趣味・夢だったことを仕事にしても、他の人を見て、羨ましいな、なんて思ってしまうことです。

仕事や生活に満足していたら、そんなこともなくなると思ってたのですが、そうではありません。

もっと本質的で、性格的なもの。

もし隣の芝生を気にしたくないのなら、隣の芝生を真似てるだけじゃ駄目なんだなと。キリがない。

そして上を目指す限り、周りの芝生も立派になっていく。どんどん成長し、整えられていく。

欲は深く、満足は儚い…。むしろこの気付きこそが、次へのステップなのかもしれません。

 

 

仕事から得た新たな知見

夢の舞台に到達したことで、新たな知識も増えました。

F1というのは、自動車レースの最高峰で、最先端で、秘密主義。ベールに包まれたその世界の一端を、知る事ができました。

 

F1だけではありません。

一般的な自動車会社のこと、働き方のこと、イギリスのこと、紅茶のこと、色々な情報が得られています。

今まで趣味でやっていただけ。
それは所詮、限られた情報の中で一定の深さまで掘って、にやけていただけに過ぎません。プロとはやはり、レベルが違う。

趣味が仕事になることで、知識や理解は深さも広さも大幅に増えます。

そうして、自分の好きな事について、あるいは自分が何を好きなのかについて、もっと多くの視点から見れるようになりました。まあ紅茶はやっぱり関係ないと思うけど。

 

 

ブラック企業ってなんなんだろう

ところで、F1というのは、イギリスの中では就労時間が長い方に入ります。

レースは土日にありますから、週末に働く人だっています。えげつない働き方をしてた人のことも聞きました。他のチームの話だけど。

ではブラックなのか?と聞かれると、僕はそうは言いません。これはF1に限らず、イギリスに限らず、レース業界全体に言えることかもしれません。

 

先ほども書いた通り、F1をはじめとしたレースというのは特殊な世界で、そこに集まる人もまた、好きでやってる人達です。

自分の好きでやってることに、時間をかけてるだけだから、それはブラックでもなんでもなくて、むしろ幸せでさえあります。

就労時間とブラック度合というのは、比例しないのだなと。

(僕のいるチームが一般的にブラックだと言ってるわけでもありません。今の僕としては、大学生活より余裕はあります。笑)

 

 

わたぽんのまとめ的なにか

書いていて思ったのですが、もし僕が好きでもないことを仕事にしていたのなら、もっと多くの発見ができたのかもしれません。

学生から趣味へ、一直線にやってきました。
だから僕に、比較はできません。

楽しみ、夜の時間、人間関係、現実と夢の差…。今回取り上げたこれらのことは全て、絶対的に感じたことです。

ただ、趣味を仕事にするのは、結果的に間違いではないようです。実際、楽しんでます。

それにもし違っても、その過程で得るものや、自分の好きな事への理解というのは、何も成し遂げてない人の比じゃありません

だから「趣味を仕事にしたいな、でもどうなのかな…」という人には、ぜひその道を進んでみてほしいです。その過程で、そして夢の世界に到達した時、そこに新たな次への扉が待っているはず。

Keep going…!

以上、わたぽんでした。ほなね!

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わたぽんの簡単な自己紹介

わたぽん(@wataponf1_uk)
高校生の時に「F1マシンをデザインしたい!」という夢を抱き、F1の中心地:イギリスへ。サウサンプトン大学で宇宙航空工学を専攻中。未熟で失敗ばかりするも、その度に這い上がってきた。そして渡英4年目には、念願であったF1チームでのインターンも獲得。自分と未来を信じて、夢は叶えられると証明したい。詳しいプロフィールはこちら

ブログ「わたぽんWorld」について

僕、わたぽんの「F1のエンジニアになる」という夢を叶える道を綴るブログ。2014年に運営開始。夢に近づけば近づくほど、更新頻度が減っていきます。
テーマは夢とイギリス留学。僕の生き方が励みになると言っていただくことが増えてきて、とても嬉しいです!

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Comment

    • H.O
    • February 26th, 2018

    初めまして、カナダに在住するH.Oと申します。
    最近、D3300を買いまして(今頃^^;)ネットで日本やその他の国々の方のレビューとを拝見していてここを知りました。
    懐かしいマクラーレンの一枚に目が留まりました。Goodwoodか何かでのイベントでしょうか?羨ましいです。

    夢と現実、色々とありますよね。私も夢を実現したくて渡米しました。ただ、わたぽんさんのような優秀な任毛でなくただのバカオヤジです^^;
    ブラック企業のお話もでてきましたが、これは置かれた状況で受け取り方も変わりますよね。勿論、会社勤めなどでは規則がありますからガイドライン的なものがります。でも技術系や職人系は、そのガイドラインで括れないことも多々ありますから^^;

    UKもいつか行ってみたい所の一つです。
    また改めてわたぽんさんのブログを拝見させて頂きます。
    長々と失礼致しました。

    • H.Oさん、はじめまして。ブログに訪れてくださり、ありがとうございます!
      D3300、良いカメラですよね。僕もまだ使っています。このブログで使っている写真の多くは、D3300で撮ったものです。ちなみにこの記事のマクラーレン写真はGoodWood、当たりです!こちらの記事も、よろしければ:
      「モータースポーツの祭典はイギリスらしい?Goodwood Festival of Speedの様子」
      http://watapon-f1.com/goodwood-festival-of-speed/

      優秀だなんて、運が良かったのだと思っています。
      たしかにF1チームといえど、会社は会社。規則もあります。チームによっても色々ですが、その職場環境を良いと思うかどうか、感じ方も人それぞれですよね。例え同じ規則でも、たまたま趣味性が低いから、ブラックと呼ばれている企業があってもおかしくないなと。

      僕の方はカナダもアメリカも行ったことがないので、いつか訪れればなと思います。イギリスはイギリスで結構見どころあるので、Goodwoodのある夏にでも、ぜひ^^
      一番おすすめの季節です。

    • H.O
    • February 26th, 2018

    誤字脱字すみません^^;

    わたぽんさんへ ”優秀な人間” と書きたかったのですが・・・^^;

  1. No trackbacks yet.

プロフィール

わたぽん(@wataponf1_uk)

高校生の時に「F1マシンをデザインしたい!」という夢を抱き、F1の中心地:イギリスへ。サウサンプトン大学で宇宙航空工学を専攻中。未熟で失敗ばかりするも、その度に這い上がってきた。そして渡英4年目には、念願であったF1チームでの1年インターンも獲得。自分と未来を信じて、夢は叶えられると証明したい。 詳しいプロフィールはこちら


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