イギリスで受けたティーハラスメント – 英国留学してたら紅茶文化に浸ってしまった話

イギリスと言えば、紅茶。

何かとネタに挙げられるイギリスと紅茶文化ですが、ごめんなさい、ネタにしたくなったので書き始めちゃった筆者、わたぽんです。

イギリスに来た当初は全く紅茶なんて飲まなかった。なのに5年目の今では訳あって、僕も紅茶を毎日飲むようになりました。コーヒーより、断然紅茶派。

日本にはコーヒーショップばかりで、紅茶を中心とした店が少ない。だから外で紅茶を飲みたくなったらたいてい、スタバを始めとした”コーヒーチェーンのカフェ”に入ることになります。ちょっと悲しい。でもこの前一時帰国した時にスタバでアールグレイラテのトールを頼んだら、「アールグレイが一番ですよね! 実はコーヒーよりアールグレイ飲んでます!」と可愛い店員さんが笑顔で話してくれました。救われた気がした。一緒にイギリスにおいでよって誘ってしまいそうになった。

いやはや、早速話がそれてしまいました。失礼。
今日のテーマは大阪のスタバの店員さんの接客についてではなくて、イギリスの紅茶のことです。紅茶初心者だった僕も侵された英国紅茶の魔力と文化。その魅力と誘惑を、二つの実録ストーリーと共にお届けします。

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誰でも飲むわけじゃない

まず断っておかなきゃいけないことがあります。例えイギリスでも、みんながみんな、紅茶を飲むわけではありません。

イギリスに渡って一年目の頃、大学寮でイギリス人5人(とハンガリー人)と一緒のフラットになった時、一人のフラットメイトは常にコーヒーを飲んでいました。ちゃんとコーヒープレスを用意して、毎日コーヒー作ってました。無知な僕は半年ほど、その人の使ってるコーヒープレスは、ティープレスなんだとばかり思っていたのですが…。

イギリスのインターン先でも、コーヒーばかり飲んでる人はいました。

聞くと、最近ではコーヒー派も増えてきたとのこと。昔(と言っても1990年代とか)は美味しいコーヒーチェーンのカフェがないと言われていたイギリス。でもコスタコーヒーや、イタリア発のネロカフェなんかが進出してからは、国家のコーヒーレベルが向上したイギリス。その影響もあるのかもしれません。知らんけど。

みんな好き勝手に自分の飲みたいもの飲んでるし、その時は「イギリス = 紅茶」というステレオタイプを押し付けないであげてください。

 

 

でもやっぱり多い紅茶好き

それでもやっぱりイギリスには紅茶好きが多いです。紅茶ツンデレ。

インターン先では多くの社員さんが毎日水より紅茶を飲んでた(気がする)し、数人のグループで行動すれば、必ず一人、いや二人は紅茶好きがいる。イギリス系スーパーならその規模に関わらず、常に複数種の紅茶が取り揃えられている。

「イギリス人は仕事中、紅茶を一日十杯飲む」とこの前Twitterで見かけたけど、あながち間違いではなかったです。ガブガブ飲んでた。さすがに十杯も飲んでなかったけど。

 

しかもミルクがなきゃだめ。

イギリスでは紅茶と言えば、ミルクティーなんです。そのキャラメル色の飲み物は、もはやスイーツの域。うまくいけばね。普段はストレートばかりの僕も、これは認めざるをえない。

そしてカフェインがなきゃだめ。

一度インターン先で、「カフェインの取りすぎは集中力を切らし、イライラし、…」みたいな記事を読んだ上司が、突然オフィスのティーバッグを、ノンカフェインに変えてしまったのです。するとどうか、社員はカフェインレスの味気ない紅茶に余計イライラし、集中力が切れ、3日後には部下自らティーバッグを持ってきてしまいました。

「うぬぬ…」と上司も対抗したけど、たしか10日前後でノックアウト。

「もうやってらんない」と通常のカフェイン入りティーバッグを携え、キッチンに旅立っていきました。一緒に僕達の紅茶も淹れてくれました。優しい。

 

 

マイマグカップの重要性

前どこかで書いた気がするけど、紅茶の話ならこの話は絶対にハズせない!!というのが二つあります。

一つ目。大学でFormula Student (学生版レースチーム)という活動に参加していた時のこと。多国籍チームだけど、イギリスの大学なので、主要メンバーはやっぱりイギリス人が多いです。

 

ある日、車の走行テストのために飛行場へ行きました。

時は1月。真冬のしとしと雨に、強い風。これはひどい一日になりそうだと思いながら、朝持ち物をトラックに積み込んでいました。

たいていの物を積み込み、よし、これで行くかとなりかけたその時、「あっ、あっぶねー」と言いつつ、誰かがキャンプ用の団体向け湯沸かしタンクを、ガレージから取り出してきました。いつからそんなものがガレージにあったのか。

でもその時は特に気にせず各々トラックや車に乗り、移動。到着すると、予想通り雨に風に、吹きざらしの飛行場。

とりあえずテントを張り、簡易屋外ガレージを設営する。これでも一仕事。さて、次は車をトラックから出して、セットアップして…と忙しい。なのに車と同時に、なぜか湯沸かし器も出てきた。水が入れられた。スイッチオン。あれれ。

カナダ出身のチームリーダーが「お前ら早く車の準備しろ」と言うも、一部のイギリス人が聞かない。

「紅茶飲まなきゃ始められない」
「寒いもん」
「まずは紅茶で体を温めないと」

口々に勝手なことを言い、お湯が沸くのをワイワイしながら待ってる。なんなんやこいつら。めっちゃ微笑ましいやん。

いざお湯が沸くと、待ってた数人がサーっと自分のバッグを探す。何人かは朝いつの間にか買ってたコーヒーショップの使い捨て紙コップを取り出してくる。しかし一部の人はどうも様子がおかしい。なんと、マグカップを取り出してきた。陶器を手にしている。まさか、わざわざ自宅のキッチンから持ってきたの?

思わず動揺して、近くにいたイギリス人チームメイトに聞きました。

なんであいつら走行テストにマグカップ持ってきてんの?

するとこう返された。

なんでお前、マイマグカップ持ってきてへんの?

 

さも当たり前かのように言い放つと、彼も自分のバッグの元へ行き、マグカップを取り出してニコーとしてきた。対する僕の表情を想像してみてほしい。なんなんや…何者なんやこの人達。なんで走行テストで今日は時間も限られてると散々言われてたのに、さも当たり前のようにマイマグカップを持ってきて、雨風の中和やかに紅茶を飲もうとしてるのか。

マイマグカップを手に、湯沸かし器に列をなす彼ら。カナダ人チームリーダー、再度呆れる。

幸い、たまたまトラックの中に過去に搭載されてた使い捨て紙コップがあったので、僕も事なきをえました。

 

 

インターン中のティーハラスメント

紅茶について、もう一つ付け加えておきたい話があります。イギリスに来て4年目のことでした。

F1チームでインターンしていた時、僕のいたグループではよく「ティーラウンド」をしていました。これは、

・自分が紅茶を淹れる時、同僚の分も一緒に淹れる。
・その代わり、もし他の人が淹れる時は、自分の分も淹れてもらう
・みんな順番に淹れる

このシステムを”ラウンド”と呼びます。

紅茶に限らず、パブで飲む時なんかにも使われるシステム。一気に淹れてしまうから早いし、紅茶のために何度も頻繁に席を立つ必要がない。

みんなとは書いたけど、この時はだいたい6人ぐらいでまわしてました。

ただ、このティーラウンドは、「みんなが似た量をだいたい同じペースで飲む」という仮定の元に考えられています。そこに問題があった。

「僕の紅茶を飲むスピードが、周りのイギリス人社員より明らかに遅い。」

 

猫舌というのもあり、フウフウしながらマグカップ約半分くらいまで飲んだところで、たいてい横から社員さんがマグカップを手に、僕の方を向いて言い放つ。

“Would you like a cup of tea?”
(訳「紅茶飲む?」)

 

もう一度言います。僕はまだ半分に到達したかどうか。「まだ飲んでます…」とマグの中身を見せると、社員さんは呆れた笑みを浮かべる。

“Hey c’mon! What are you doing? Catch up, catch up!”
(訳「おいおい何やってんねん? はよ飲み、はよ飲み!」)

 

いやいや、その社員さんが飲むの早すぎるだけでしょ。そう思って他の社員さんに意見を求めようとしたら、みんな笑顔で振り向いてくる。手には、そう、空のマグカップが握られていた。

“If you want to work in this team, you need to be able to drink tea quicker.”
(訳「このチームでインターン後も働きたいんなら、もっと早く紅茶飲めるようにならなあかんぞ(ニヤリ)」)

 

上司にそう言われた気がする。インターン中で当時はそのチームで働きたいと思っていた僕は、言い返す言葉がなかった。

イギリスのインターン先で受けた、ティーハラスメント。略してティーハラ。

 

 

わたぽんのまとめ的なにか

思い出してみても、あのティーハラはひどいと思うし、それに思いっきり周りに流される主体性のなさで、紅茶を飲む量が増えてしまいました。許してください。その時はどうしても、イギリスで仕事を得たかったので…。

まあ実際、そんな嫌々飲んでた訳ではありません。結構みんなで紅茶等を楽しみながら、和やかに働いてたりしてました。ティーラウンドは良い文化だと思います。上司も部下も関係なく紅茶を淹れていて、そこからコミュニケーションが生まれたりもする。淹れてもらったらお互い”Thank you”, “Cheers!”と感謝を述べる。気分も良くなるし、スッキリして仕事に向かえる。

イギリスで働かないことに後悔とかはあまりないけど、この愛すべき紅茶文化を自然に楽しめなくなるのはちょっと寂しいかもなーなんて思ってます。笑

 

ただ、他人の紅茶を淹れるというのは責任の伴う行為。紅茶と言っても、千差万別。でも議論の分かれ目を知っていれば、日常生活には支障をきたさなくなります。次はそのことについて紹介したいな。お楽しみに!

 

以上、わたぽんでした。ほなね!

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わたぽんの簡単な自己紹介

わたぽん(@wataponf1_uk)
高校生の時に「F1マシンをデザインしたい!」という夢を抱き、F1の中心地:イギリスへ。サウサンプトン大学で宇宙航空工学を専攻中。未熟で失敗ばかりするも、その度に這い上がってきた。そして渡英4年目には、念願であったF1チームでのインターンも獲得。自分と未来を信じて、夢は叶えられると証明したい。詳しいプロフィールはこちら

ブログ「わたぽんWorld」について

僕、わたぽんの「F1のエンジニアになる」という夢を叶える道を綴るブログ。2014年に運営開始。夢に近づけば近づくほど、更新頻度が減っていきます。
テーマは夢とイギリス留学。僕の生き方が励みになると言っていただくことが増えてきて、とても嬉しいです!

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