イギリスで実際に揉めた、紅茶を巡る4つの議論

こんにちは、わたぽんです。

先日書いた、イギリスの紅茶文化についてのブログ。Twitterを中心に色んな人に反応をもらえて嬉しかったです。イギリスに留学してる甲斐があります。

イギリスで受けたティーハラスメント - 英国留学してたら紅茶文化に浸ってしまった話
イギリスと言えば、紅茶。 何かとネタに挙げられるイギリスと紅茶文化ですが、ごめんなさい、ネタにしたくなったので書き始めちゃっ...

その記事の中で紹介した、ティー・ラウンドのシステム。オフィスで自分が紅茶を淹れる時は周りの分も淹れるんですけど、これが結構な曲者でした。

このシステムについてもう一度書き出しておくと、

・自分が紅茶を淹れる時、同僚の分も一緒に淹れる。
・その代わり、もし他の人が淹れる時は、自分の分も淹れてもらう
・みんな順番に淹れる

です。シンプルでしょ?

でも、ただ紅茶を淹れる…それだけじゃ、周りは満足してくれなかったのです。紅茶にも人それぞれ、好みがある。

なので今回は紅茶を淹れる時に意見が分かれる、いわば「紅茶、議論の分かれ目」について書きます。別に学術的でも科学的でもありませんが、参考に。

運悪くイギリスで他の人の分の紅茶も淹れなきゃいけない人のために。

 

 

紅茶、議論の分かれ目4つ

書き始めたものの、またしょーもないことを書いているなと思っています。だって、僕の中では紅茶の淹れ方は決まっています。

普段使うのは、ティーバッグにマグカップ。オフィスや大学でも、周りが使うのは大抵ティーバッグにマグカップ。

なので今日の話も、ティーバッグにマグカップ。

ティーバッグを扱う場合は、それこそ毎日、儀式のように執り行っています。

 

「沸騰したお湯をまずカップに注ぎ、カップを温める。そのお湯をシンクに捨て、新しく本番の沸騰したお湯を注ぎ、ティーバッグをゆっくりと沈める。約3分待ち、静かに取り出す。」

それだけ。
ただ、それだけ。

昔、書籍やネットを駆使して科学的な根拠やイギリスの古典的レシピ本の情報を元に、これがベストだと認識した淹れ方。もはや何をどう調べたのかサッパリ覚えてないけれど、実際、これでおいしいのが淹れられる。

 

なのに、違うとモノ申すイギリス人達がいたのです。

  • ミルクが先か、お湯が先か?
  • ティーバッグをどの様に取り出すか?
  • ミルクをどの程度入れるのか?
  • 好みのティーバッグ

 

 

ミルクが先か、お湯が先か?

「紅茶にミルクを淹れないなんて信じられない」

とはよく言われますが、イギリスではミルクティーが一般的です。僕みたいに虫歯を気にしてストレートティーを飲む人はそう多くない。だから初めはいつも、変な目で見られがちです。

ただミルクを淹れる場合でも、なんだか違うと言われることがある。

 

例えばティーバッグで淹れる場合、ミルクは紅茶を淹れ終わった後に注ぎ混ぜるのが正攻法なはず。だって、紅茶の茶葉は100℃で最もよく抽出される。「UK Tea & Infusion Associations」がそう紹介してるし、「ミルクは最後に入れるのがベスト」ともわざわざ書かれている。英国人作家ジョージ・オーウェル氏の書いた『A Nice Cup of Tea (一杯のおいしい紅茶)』という本でも、「100℃」と紹介されていました。

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しかしミルクを先に入れ、そこにティーバッグを入れ、その上からお湯を注ぐという謎の淹れ方をする人もいる。そんなことしたら、ミルクに中途半場に浸されたティーバッグにお湯を注ぐことになる。しかも、ミルクによってお湯が冷やされ、100℃からどんどん離れていっちゃう。だから彼に「違うで」って教えてあげた。すると、

「いやいや、紅茶の茶葉は80℃で最もよく抽出されるんやで」

と言う。日本から来た僕に正しい英国情報を教えてことにあまりにも気を良くしている風だったので、僕はそれ以上ツッコみませんでした。

 

ちなみに今調べてみると、Twiningsのウェブサイトでは、

沸騰したら冷ますために数分放置しましょう。

と書いてありました。
別サイトでは、アミノ酸やタンニンが取り上げられたりもしていた。

『「イギリス社会」入門』には、「英王立科学協会が2003年に、ミルクをお茶にそそぐと「変性」しやすくなるという研究結果を発表した」とも書かれている。

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もしかしたら、彼らが正しかったのかもしれません…。それでも絶対ミルクを後に入れるけど。

※ミルクを後に入れる場合は特に、ちゃんと混ぜましょう。でないと混ざりません。

 

3分たった後、ティーバッグをどの様に取り出すか?

ミルクとお湯のことはもう解決されたとして、次。3分後のこと。

僕の理解では、「ティーバッグを取り出す時は、静かに取り出さなきゃいけない。ティーバッグをぐちゃぐちゃかき混ぜたりすると、茶葉から苦み成分が出てしまうから」です。

なのに、なのに…あろうことか、インターン先の人みーんな、ぐっちゃぐちゃ混ぜてた。いや混ぜるだけならマシかも。絞ってたもん。ティーバッグをマグカップ内で絞ってから、捨てる。苦み成分の抽出される音が聞こえた。

「この方が短時間で濃く淹れられるからね。」

とある社員さんはそう話していました。

 

これはもしかしたら、働いている場所が悪いのかもしれないとも思いました。インターン先はF1チーム。0.01秒を競うレースが仕事。紅茶を淹れる時間も、0.1秒単位で管理しているのかもしれない。

でも一度、2分ぐらいで6人分の紅茶を淹れ終わった人がいて、その時はさすがに周りも青ざめてました。淹れた人がいなくなった時に、横の社員さんが、

この紅茶、どうよ? 苦すぎて飲めへんわ。

とかこっそり言ってて笑えた。でも本人にはちゃんと、

“Thank you for this special tea! It is a bit bold, isn’t it! Always good to have a variety of tea. Thank you!”

なんて言ってて、sarcasm(皮肉)こわーいってなりました。僕はちゃんと紅茶淹れようと心に誓った。

 

 

ミルクはどの程度入れるのか?

イギリスではミルクティーが基本。
適切な量のミルクを入れられた時は、本当にスイーツのように美味しい紅茶が出来上がります。これぞスイート・スポット。他者の分を淹れる時は、いつもこのスイート・スポットを目指しています。

しかしある日、ついに言われてしまいました。

「わたぽんの作るミルクティーはちょっと濃い」

これは一般的英語翻訳。イギリス英語的に訳すと下記のようになります。

お前の作るミルクティー、ミルク全然入っとらんやんけ。こんな濃いの飲めるかいな。

震えあがりました。
脳内変換しない方が良いこともある。

 

一方で、

「彼の作るミルクティーが一番うまい」

と言われる社員さんがいました。僕は気になり、彼の淹れるミルクティーを観察しました。するとどうか、ミルクを想像以上に入れている。結構ドブドブと入れてる。なるほど、ミルクはこんなに入れても大丈夫なのか。

 

しかし彼から学んだのは僕だけだったようで、他の社員さんは相変わらず、各自の信じる最適な量のミルクを注ぎ続けました。

それに業を煮やしたのが上司。もう我慢ならないと、ある日、ミルクティーのカラーチャートを持ってきました。

「各自、好みの色のところに名前を書くように。」

 

みんな「うーん2番かな、いや3番…?」みたいにちゃんと悩んでる。その結果判明したのは、上司の望むミルクティーは、他の社員さんよりもミルク多めだということでした。

それなら話は早いと、上司にはさらにミルクを追加したその後の日々。このカラーチャートはオススメしておきます。笑

 

 

ティーバッグの種類

最後に、ティーバッグについて。

イギリスにはたくさんの種類の紅茶があります。ティーバッグの種類も色々ある。色々あるおかげで、ここでも好みの差が出る。このブログでは、あまりネットで取り上げられない気がする、庶民の飲むティーについて紹介しましょう。

 

というのもネットでよく”イギリスでオススメ”等と紹介されるのは、結構良い茶葉だったりします。フォートナムアンドメイソンのお茶とか。そういうのを見るたびに思うんですけど、正直、庶民の普段使いとしては高すぎる。利便性も薄い。オフィスなんかで実際飲むお茶は、そこらのスーパーで買えるやつでした。

特にお金持ちでも中上流階級出身でもない人の中では、Yorkshire TeaPG Tipsが主流のように思います。(あくまでイングランド南部に住んでいての感覚値です。)

小さめのスーパーでもこの二つは絶対に売られていて、手に入りやすい。それに、安い。80ティーバッグが£3で買えたりする。買うしかない。

日本でも有名なTwiningsなんかを飲むと、「良いやつ飲んでるじゃん」とイギリスの友達や上司からコメントを頂いたりしました。Twiningsはワンランク上。でもどこのスーパーにも売ってるし、ある意味大衆に最も近い高級志向のブランド。大学のカフェはTwinings。

 

僕が普段飲む確率が高い紅茶ブランドは以上の三種なんですが、もう一つ取り上げておきたいのがTetley

1837年にイングランド北部で創業した会社の紅茶なんですが、これもスーパーで結構見る。イギリス最大の紅茶会社らしい。

このTetleyを愛飲してたのが、北部出身の人。曰く、

イングランド北部ではみんなTetleyを飲む。

そう言ってYorkshire Teaには目もくれず、Tetleyばっかり飲んでた。いつも大げさに話す人なので笑って流しましたが、もしかしたら北部では圧倒的シェアを握っているのかもしれません。知っている方いたら教えてください。笑

 

 

まとめ – 正しいかどうかじゃなく、自分が何を信じるか

お湯を注ぐタイミングから、ミルクの量まで。色々書いたけれど、実際みんな好き好きに紅茶を飲んでいます。

その淹れ方が正しいかどうかよりも、自分がどの淹れ方を好むか、そして信じるか。

他の人の分を淹れる時は、「この濃さで大丈夫?」と一言聞けば大丈夫です。でも僕はやっぱり「UK Tea & Infusions Association」の提供する『完璧な紅茶の淹れ方』を信じたいかなあ。

それに、イギリスのこの手の議論は「ネタとして楽しむ」のが正解。くれぐれも、本気になりすぎて他人を卑下したりしないように願っております。

ちなみにわたぽんオススメはT2という会社の、”Madagascan Vanilla“フレーバーの紅茶です。

実はオーストラリアの会社の紅茶なんですよね。あはは。

 

以上、わたぽんでした。ほなね!



わたぽんの簡単な自己紹介

わたぽん(@wataponf1_uk)
高校生の時に「F1マシンをデザインしたい!」という夢を抱き、F1の中心地:イギリスへ。サウサンプトン大学で宇宙航空工学を専攻中。未熟で失敗ばかりするも、その度に這い上がってきた。そして渡英4年目には、念願であったF1チームでのインターンも獲得。自分と未来を信じて、夢は叶えられると証明したい。詳しいプロフィールはこちら

ブログ「わたぽんWorld」について

僕、わたぽんの「F1のエンジニアになる」という夢を叶える道を綴るブログ。2014年に運営開始。夢に近づけば近づくほど、更新頻度が減っていきます。
テーマは夢とイギリス留学。僕の生き方が励みになると言っていただくことが増えてきて、とても嬉しいです!

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プロフィール

わたぽん(@wataponf1_uk)

高校生の時に「F1マシンをデザインしたい!」という夢を抱き、F1の中心地:イギリスへ。サウサンプトン大学で宇宙航空工学を専攻。そして渡英4年目には、念願であったF1チームでの1年インターンも獲得。現在は卒業し、日本でF1から離れ生活中。 詳しいプロフィールはこちら


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