イギリスの大学に進学するのはセンター試験よりも簡単かもという話
「イギリスの大学に行くのは、結構簡単なんですよ」
こんなことを言ったら、またまた~謙遜なんでしょ?って笑われたり、それは自分が頭良いからだろうと言われたり。
でもそれは違います。日本の同レベルの大学の入試の方が難しい。イギリスのサウサンプトン大学には入学できたけど、ランキング的に同じくらいの大阪大学なんかに行こうとすると、古典あたりでセンター足切りされちゃう。
ではなぜイギリスの大学に進学するのは、意外と簡単だと言えるのか? あくまで自分の経験をベースにですが、そう感じた理由を説明します。
間口が広いファウンデーションコース
まず、「ファウンデーションコース」というのをご存じでしょうか? 海外の高校からイギリスの大学に直接入学するには、色々と文化的・学問的な違いがあります。そこでファウンデーションコースに1年通ってから、大学学部に進学するというルートが出てきます。言い換えるなら、ファウンデーションコースは大学学部に進学するための主に留学生用の準備コース、というわけです。
それゆえ、ファウンデーションコースの間口は広く開かれています。入学に要求される英語力も低めのスコアでよく、イギリスのテストシステムを受けずに、それぞれの国の高校の成績を利用して入学審査に挑めます。
日本の普通の高校からイギリスの大学へ直接行くには、このファウンデーションコースの履修が必要になります。
ファウンデーションコースに受かるには?
高校から行く場合は、基本的には以下のものが必要となります。
- IELTS等の英語力照明
- 高校の成績
- 志望理由書
- 高校の卒業証明書
英語力証明では、IELTSやケンブリッジ英検などの英語テストを個人で受けて、出願の際にその結果を大学側に送ります。大学によりますが、IELTSの場合、だいたい4.5 ~ 5.5が目安です。
高校の成績は、3年間の成績が見られます。各高校の成績の出し方、英語に訳した際の成績表の書き方にもよりますが、主に見られるのは「各年の評定平均」「専攻予定の科目に関する成績」「著しく成績の悪い教科がないか」です。
志望理由書は英語で書きます。卒業証明書も、高校で英語に翻訳してもらいましょう。(実際に卒業するまでは仮合格となります。)
これがなぜ結構簡単だよと言えるのか?それはサウサンプトン大学の例を使って説明します。
サウサンプトン大学の場合
サウサンプトン大学は、ファウンデーションコースから行ける大学の中でもトップクラスの大学です。だからファウンデーションコースの入学基準も、厳しい部類に入ります。
その難しい入学基準を見てみましょう。(あくまで担当官に教えてもらったことやエージェントに聞いたことです。)
英語力
IELTSではOverall : 5.5以上で、ReadingやSpeakingなどすべてのセクションでも5.5以上でないといけない。
一見難しそうに見えますが、ビビる必要はありません。僕の感覚としては、英語が不得意な人でも2年間まじめに頑張れば、ふつうにクリアできます。というか僕がそうでした。学校の授業だけで、英語教室などに通わなくても取れました。もちろんコツや勉強法というのはありますが。
高校の成績
(5段階評定で)専攻予定科目に関する教科では4以上。その他の教科でも2以下がなければ大丈夫。評定平均で4あれば十分すぎる。
例えば僕なら工学系のコースに進むので、物理、数学、そして英語の成績が4以上が目安でした。しかし成績はあくまで目安で、同じ評定でも落ちる人、受かる人両方います。評定平研が4以上あればほぼ大丈夫だろう、というぐらいしか言えません。
理由の一つは、海外のよく知らない学校の成績を絶対的な基準として判断できないこと。イギリスから見れば、日本の高校なんてほぼ全部一緒に見えます。言い換えれば、優秀な進学校で悪い成績の人と、そこいらのパッとしない高校で良い成績の人を比べれば、成績面では後者が良いと判断されます。実際に、競争の激しい進学校にいたがゆえに成績が伸び悩み、ファウンデーションコースに受からなかった人もいました。
そこで志望理由書というものもあるのですが、これは評価することが難しいのでおいておきます。ただしそんなに特別なことを書かなくてはいけないわけではありません。なぜその大学で学びたいのか? 大学側にとって自分を受け入れるメリットはなんなのか? などを書く。プラスアルファとして、少し関係するボランティアに行ったり、取り組みに参加した経験を含ませる。もしコンテストで賞を受賞したりしたなら、とても良いアピールになります。
これがサウサンプトン大学の例です。いや、
厳しい部類のファウンデーションコース入学目安
と言った方が良いでしょう。最難関でこの程度ですよ。誰も成績で5を取れとは言ってませんし、ペラペラに英語話せる必要もないのです。もっとやさしい大学やファウンデーションコースを提供している教育機関なら、さらに入学基準はゆるい。古典もできなくていいし、むしろ得意科目だけでほぼほぼ勝負できちゃうという面もある。
IELTSが4.5や5.0でよかったり、高校の評定平均が高くなくても、受かるでしょう。IELTSで5.0というと、すぐに取ることができますよ。プロが教えなくても、僕が教えてもとれるスコアです。英語得意~♪なんて人であれば、今受験しても基準に近いスコアがとれるんじゃないでしょうか?
わたぽんのまとめ的なにか
イギリスの大学に行くのは、そんなに肩肘張る必要はない。むしろセンター試験と2次試験を受けて日本のある程度のレベルの大学に行くよりも簡単なこと。特にイギリスはどの大学も一定のレベルが保障されてるので、日本のように三流大学があーだこーだという心配が少ないです。
もちろんこれはあくまで一例を取り上げただけで、中には本当に難しいところもあります。でも入ってから忙しくても、入るのはそれほどとも言えない。そんな傾向がイギリスの大学にはあります。
ファウンデーションコースがどんなものか、どれくらいの難易度なのかは分かっていただけたでしょうか? 各大学のより正確な情報が気になる方は、ぜひ調べてみてください!
以上、わたぽんでした。ほなね!
わたぽんの簡単な自己紹介
わたぽん(@wataponf1_uk)
高校生の時に「F1マシンをデザインしたい!」という夢を抱き、F1の中心地:イギリスへ。サウサンプトン大学で宇宙航空工学を専攻中。未熟で失敗ばかりするも、その度に這い上がってきた。そして渡英4年目には、念願であったF1チームでのインターンも獲得。自分と未来を信じて、夢は叶えられると証明したい。詳しいプロフィールはこちら
ブログ「わたぽんWorld」について
僕、わたぽんの「F1のエンジニアになる」という夢を叶える道を綴るブログ。2014年に運営開始。夢に近づけば近づくほど、更新頻度が減っていきます。
テーマは夢とイギリス留学。僕の生き方が励みになると言っていただくことが増えてきて、とても嬉しいです!
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サセックス大学やケント大学はどうなんでしょうか?
私は今高1なのですが、最近イギリスの大学に興味を持ちました。日本の大学がどれもピンと来なくて、イギリスは旅行で行ったこともあってとても好きな国です。
英語は小さい頃から習っていて得意です。英検1級をもってます。
成績も4くらいとれそうです。
日本の大学で言ったら文系で、行きたいなって思っていたのはICUや上智大学あたりです。
イギリスの大学に関してはまだ情報収集まったくしていないのでわからないんですけど、私の場合、イギリスの大学ではどのくらいの大学がいいと思いますか?また、低所得世帯にぎりぎり入るくらいなのでローンがあったりなるべく学費が安いほうが助かります。
コメントの返信、よろしくお願いします。
こんにちは!返信遅くなり申し訳ございません。
まだ高1ということ、そして英語や成績で心配が少なさそうなので、ファウンデーションコース経由でイギリスの大学に行くなら、十分可能なことですね!ふつうの公立・私立の高校からですよね?
どれくらい…というのを僕が答えるのは難しいです。
例えば何を学びたいか、場所(例えばイングランド南部が良い!など)にこだわりはあるのか、そしておっしゃっているお金の都合などもありますよね。
アドバイスできることとしては、まず行きたい大学を調べてみること。お金などはまず無視して、純粋に学びたいことを高レベルで提供している大学をいくつかピックアップしてみます。この際、大学全体のランキングがすべてではないので注意してくださいね。
そしてその選んだ中から、奨学金があったりするのか、学費が比較的安いのかなどを調べてみましょう。ただ、海外大学進学性向けの無償の奨学金は少ないです。
まあ、学びたいことを優先して、お金は後からなんとかしてやる…!ぐらいの意気でいく方が良いかと思います。
イギリスの大学に行こうと思っていて今少しずつですが色々なことを調べています。とても初歩的な質問になってしまうんですが、調べてもあまり出てこないのでこちらで聞かせていただこうかと思いコメントさせてもらいました。ファウンデーションコースというのは、その大学に元々ついているものなんですか?説明がうまくできないのですが、日本でいう、私立の中学に行きそのまま決まった高校にいくみたいなものなんですか?それとも、どこかのファウンデーションコースに通って、その後大学はまた1から探し入学するという形ですか? 本当に初歩的な質問ですみません。 よろしくお願いしますします。
はじめまして、こんにちは。
ファウンデーションコースの形態は、大学によって様々です。サウサンプトンの場合は大学内に完全に組み込まれて、運営も講義も全て大学スタッフが行い、進学も成績さえ満たせば、サウサンプトン大学に行く場合がほとんどです。
しかしだいたいの他の大学では、ファウンデーションコースは協力してる別会社によって運営されていたりします。もちろん、そこでも基本はそのまま進学ですが。その場合は、コース自体が別なので、再度ビザ申請やコース登録もしなきゃいけなかったと思います。
UCLのファウンデーションは、逆に難しすぎて、成績が届かず他大学に渋々進学…ということも多々あるよう。
なので、中高一貫のイメージも当てはまってますが、もう少し進学に関してはシビアかな?と感じています!