「常にF1のことを考える。」小倉茂徳さん(モータースポーツジャーナリスト)から教わったこと
東京・恵比寿にあるRacers’ Cafe。
カナダGPのパブリックビューイングに参加するためにそこを訪れたことは、以前書きました。
(ブログ:東京・恵比寿のRacers’ Cafeで皆でレースを楽しもう!)
僕はそこで、モータースポーツジャーナリストの小倉茂徳さんとお会いしました。
その出会いは、このブログにも多少なりとも影響したほど。
今回はそこで話した内容、伺ったこと、心に残っていることを書いていきます。
情報処理能力の高さ
レースが始まってすぐ、小倉さんがiPadを操作し始めました。
この日はレースよりも、小倉さんの言葉、行動に注目していた僕、その動きを見逃しません。笑
すると僕の視線に気づいてか、小倉さんは何をしているのか教えてくれました。
使っていたのは、そう、F1の公式アプリ!(参考記事はこちら)
ここでは詳しく述べませんが、コース上のマシンの動きやラップタイムなどが見れるアプリです。
アプリの一部機能だったかどうかは忘れましたが、テレビでは流れていないピット無線も聞けるとか。
親切にも、僕にも見える位置に置いてもらい、一緒にレース観戦。
しかし小倉さんには、情報をゲットする次なる手段が!
カバンごそごそしだした小倉さん。取り出したのはイヤホン。
それをiPadにつけ、ついに教えてもらいました。
なんと、BBC放送(英語音声)を同時に聞いているらしい!
たしか去年までルマンで走ってた、アラン・マクニッシュもしゃべっていたのかな。
フジテレビで日本語のF1放送を見ながら、iPadで情報を追い、さらに英語音声でも同時に聞く。
すごい、すごすぎる…
やっぱりF1の世界で生きていくには、英語をいち早くしゃべれるようにならなければ。
対する小倉さんは
「日本語でも英語でも聞いて、眠くなっちゃいました。」
なんて言ってる、この余裕が、僕の焦りを生みます。
サウサンプトンのF1における地理的利点
会話は次第に、イギリスの大学とF1のことについてに変わっていきます。
なんせ僕はサウサンプトン大学にF1のエンジニア目指して行くのですから。
イギリスの中で最もモータースポーツが盛んなのは、オックスフォード(Oxford)やノーサンプトン(Northampton)の辺り。
サウサンプトンからは、少し距離があります。
正直、サウサンプトンからは地理的に不利かと思っていました。オックスフォードブルックス大学なんかは、モータースポーツが盛んな地域から近いですからね。
でも小倉さんはそれを否定。
曰く、「サウサンプトンは良い位置にある。」
まず多くのF1チームが拠点を置く、モータースポーツが盛んな地域へは、電車や車を使えば日帰りで行ける。
次に、グッドウッドフェスティバル(モータースポーツの一大イベント)の会場はサウサンプトンから車で1時間で行ける。
そして、マンチェスターかどっかである車関係のイベントにも、日帰りで行ける距離。
という理由。たしかに、と納得。
モータースポーツについて学ぶのに、こういうイベントへの参加は必須。
マシンをすぐ近くで観察できますからね。
「常にF1のことを考えるべき。」
話しの中で、最も強烈なインパクトがあったこと。
それが、この言葉で集約できます。
F1は優秀な人だけが働けます。
F1のエンジニアなんかは、日本では全然でも、イギリスでは人気の職業。
なるにはケンブリッジ大の人などと、対等に争い、さらに勝たないといけません。
だから、大学ではほんとに努力をしなければならない、と言われました。
特に、大学対抗でマシンを作りレースをする「学生フォーミュラ」のチームに入ったら、それこそ1日中、それについて考えないと勝てない、と教わりました。
あの有名なエンジニア、ジェームズ・アリソンなどが学生の頃を見た小倉さんは、こう語っていました。
「アリソンの来てるチームジャージ見てるとね、ひじのところが穴あいてるの。なんで?って聞いたら、擦り切れた、って。彼らは服が擦り切れちゃっても、そんなん構っていられないほど、レースに集中していたんだよ。」
こんな感じのことです。
マシンとレースについて考えるときにひじついてて、それが擦り切れちゃった。でも構ってる暇なんかない。それくらい集中して、レースに情熱と時間を注がないと、良いエンジニアにはなれないということです。
僕の4年後のレースジャージには、穴が開いているのでしょうか?
この先を考えて、不安になるかもしれない。でも、なんだかワクワクしませんか?
毎日レースについて考え、それで大学生活を過ごせる。
F1好きには最高の環境が用意されているのです。
きっとF1をあまり知らない人からしたら、変人ですよね(笑)
やってやります。
イギリスで、僕のデザインしたマシンが走る日を想像するだけで、今からワクワクしてきます。
こんな感じで、イギリスでの生活は、なかなか大変そう。
だけどおもしろそう。
日本では決して味わえないでしょう。
ブログへの影響と言いましたが、きっと、ブログをのんびり書いてる暇もないということです。
だから少し、ブログの形を変えました。
以前はブログのテーマを「イギリス」「留学」「F1」の3つにしぼってましたが、それをフリーに。
もちろんイギリスやF1のことが中心には変わらないです。
こうすることで、ふとした休憩時にパッとブログを書けるかな、と。
イギリスでの非日常を、ぜひ多くの人に伝えたい。
F1、モータースポーツのおもしろさを届けたいからです。
ブログに縛られて、イギリスでの生活がおざなりになっては意味がない。
ブログはあくまで僕の世界、自由です。
イギリスでの生活が、今から楽しみ。
小倉さんの言葉を胸に、頑張って、楽しんできます。
少し話がそれましたが、小倉さんとこんな会話をしながらレースを見ていると、あっという間。
早朝、一緒に恵比寿駅まで歩いて帰りましたが、あれほど良い朝はなかったと思います。
その後、山手線で1周寝てしまいましたけどね(笑)
以上、わたぽんでした。ほなね!
わたぽんの簡単な自己紹介
わたぽん(@wataponf1_uk)
高校生の時に「F1マシンをデザインしたい!」という夢を抱き、F1の中心地:イギリスへ。サウサンプトン大学で宇宙航空工学を専攻中。未熟で失敗ばかりするも、その度に這い上がってきた。そして渡英4年目には、念願であったF1チームでのインターンも獲得。自分と未来を信じて、夢は叶えられると証明したい。詳しいプロフィールはこちら
ブログ「わたぽんWorld」について
僕、わたぽんの「F1のエンジニアになる」という夢を叶える道を綴るブログ。2014年に運営開始。夢に近づけば近づくほど、更新頻度が減っていきます。
テーマは夢とイギリス留学。僕の生き方が励みになると言っていただくことが増えてきて、とても嬉しいです!
Comment
No trackbacks yet.
No comments yet.