モータースポーツの祭典はイギリスらしい?Goodwood Festival of Speedの様子
こんにちは、イギリスで大学生してるわたぽんです。
F1をはじめとしたモータースポーツの中心地と言えば、イギリスです。F1はイギリス発祥だし、実際イギリスでは、モータースポーツが一つの文化・産業として成立しています。
だからでしょう。イギリスには有名な「モータースポーツの祭典」があります。
“Goodwood Festival of Speed”
モータースポーツの祭典とはどんなものか?現地に行ってみて思ったのは、とても”イギリスらしい”イベントだってことです。
イギリスらしいイベント開催の背景
Goodwood FoS、Goodwood、と略して呼ばれることが多いこのイベント。一言で表すなら、「モータースポーツの祭典」です。
開催の背景はとてもイギリスらしい。
主催者はリッチモンド公爵家。イギリス南海岸沿いの街・チチェスターの北部に広大な土地を所有している、まさに貴族。
その貴族の一人がレース好きで、広大な土地の中にサーキットを作り、私有地を庶民の我々に開放し、車を集めて、イベントを催しました。これがGoodwood FoSの始まり。
貴族の趣味を持て余した土地に落とし込んだイベントだったのですが、年々規模が拡大。今ではモータースポーツ好きなら誰でも知ってる、年に一度の祭典になりました。
つまり、開催地はとある貴族の私有地ってわけ。
ちなみに貴族がレース好きというのは、特に珍しい話でもありません。昔は趣味でF1チームを作り、破産したイギリス貴族もいます。
世界中から集まる車達
Goodwood Festival of Speedでは、世界中から集った車達が展示されています。各メーカーのブースでは、それぞれ趣向を凝らした展示が。全体的に一般車よりも、レースカーや高級車が多いです。
メルセデスブースでは、F1マシンを壁に。
ジャガーでは、実際にクーペに乗り、ドリフトを体験できるコーナーがありました。
他には日産がVRを利用したGT-R試乗体験を行っていたり、テスラ車の全モデルを見れたりと盛りだくさん。
しかし各メーカーのブースより、正直こっちの方が気になる。
F1ブースでは、最新から過去のF1マシンまで何十台も揃っていたり…。
道端ではほぼ見かけられない、特別仕様の高級車があったり…。
芝生の上に古き良き”スーパーカー”達が転がっていたり…。
屋敷の中庭では「BMWとアート」を掛け合わせた展示まで。
最新のスポーツカーをちゃんと準備しつつも、古き良きクラシックカーまでしっかりカバーする。そのラインナップには、イギリスにおけるモータースポーツ文化が現れていたように思います。新しければ良いってわけじゃない。
お祭りは本気だから楽しい
もう一つ、イギリスらしいと言える点はここじゃないでしょうか。車は走ってこそ、本当の楽しさが分かる。しかもただの遊びじゃなくて、ちょっと本気ぐらいが良い。
Goodwood FoSでは、敷地内にヒルクライムコースがあります。そこでタイムアタックが行われる。走るのはなんと、ついさっきまで展示されていた車達。
お前らどうやって走ってんねんというようなクラシックすぎるカーから、つい最近まで世界中でレースしてきたGTマシン、F1マシンまで。よりどりみどり。
個人的にはトヨタF1の2005年マシンから響き渡るV10サウンドが体の真髄にまで染み渡りました。
やっぱり、車は走ってこそ車。3億円の最新ブガッティだって、細いコースを走っていました。
敷地奥部に行けば、ラリーコースもあります。これが結構本格的と噂。
過去にはこのコースでクラッシュし亡くなってしまったドライバーもいます。世界に数台しかない車も、クラッシュして廃車になることも。でも、モータースポーツの楽しみを存分に感じられるようにするには、本気で走らせるのが一番。リスクは承知の上。ちゃんとツボを押さえてるよなーと感心します。
雰囲気は、イギリスだ。
Goodwood FoSでは、そこかしこでイギリスだなーと感じました。良い意味でも、悪い意味でも。
良い部分というのは、例えば会場そのもの。
6月後半という初夏の晴れ空、一面に広がる天然芝。イギリス貴族の屋敷があり、その前や合間に近代的なオブジェがあったり。
特に長く暗いイギリスの冬を越した後に、明るく鮮やかな夏を迎えると、感動に値します。
だだっ広い芝生の上に、各ブースが配列され、もちろん屋台なんかもたくさん出ています。そこでビールでも買って飲むと、中々しっくりきます。いいですか。コーヒーに押され気味の紅茶よりも、ビールの方がイギリスらしいんですよ。…庶民としては。
観客はそんなこんなしながら、会場内を歩き回ります。コースから聞こえてくるエンジン音を聞きながら、最新の車やクラシックカーを眺める。
一眼レフを手に取り、コース沿いで撮影に励む人もいます。(僕みたいに)
他にも観客席(有料)があったり、エンジン音をBGMにする土手で寝そべる人がいたり。
皆がみんな、車をずっと見て、追いかけてるわけじゃないようです。どっちかって言うと、車がある環境で、思い思いの方法で楽しんでいるという感じ。
空気が張り詰めてなくて、どこかほのぼのしてて、皆思い思いの楽しみ方をしてて。イギリスの夏のイベントやなって感じがします。率直に。
一方、“イギリスらしい”というのは良いことばかりではありません。
例えば芝生のあるところは、だいたいぐちょぐちょ。雨がしばらく降らなければ、乾燥してピクニックに最適な地面になるのですが、イギリスは雨がすぐに降ります。
おかげで靴は泥だらけ。帰宅後、ジーパンの裾を洗うことも必須です。慣れている人は、長靴で会場入りしていますね。
F1が開かれるシルバーストーンサーキットも似た感じだったりで、ああ、イギリスらしいわって思います。泥。
あと、スタッフのてきとーさ。
イギリスだけってわけじゃないですが、スタッフの案内がどうしてもてきとーに感じます。
道に迷ってスタッフに尋ねたのですが、そのスタッフ、自分がどこにいて周りに何があるのか、よく分かってませんでした。多分、バイトなんでしょうけど。そして、てきとーな事を教えてくるんですが、まあ、聞いた僕が間違いでしたね。笑
海上、めちゃくちゃ広いんです。
30分歩いても、端から端まで到達できないです。
まあ、Fish and Chipsでも食べて休憩、休憩。
(実はFish and Chipsよりも、ホットドッグの方がどう見ても人気だったのは内緒ですよ。)
わたぽんのまとめ的なにか
イギリスの夏のイベント。車に少しでも興味がある人なら、かなり充実した一日になるでしょう。一日じゃ足りない可能性も高いので、会場横でキャンプ泊ってのもあり。
観戦費の高いF1を見るよりも、こっちの方が良いかもしれませんね。
うん、良いですよ。晴れれば。
以上、わたぽんでした。ほなね!
わたぽんの簡単な自己紹介
わたぽん(@wataponf1_uk)
高校生の時に「F1マシンをデザインしたい!」という夢を抱き、F1の中心地:イギリスへ。サウサンプトン大学で宇宙航空工学を専攻中。未熟で失敗ばかりするも、その度に這い上がってきた。そして渡英4年目には、念願であったF1チームでのインターンも獲得。自分と未来を信じて、夢は叶えられると証明したい。詳しいプロフィールはこちら
ブログ「わたぽんWorld」について
僕、わたぽんの「F1のエンジニアになる」という夢を叶える道を綴るブログ。2014年に運営開始。夢に近づけば近づくほど、更新頻度が減っていきます。
テーマは夢とイギリス留学。僕の生き方が励みになると言っていただくことが増えてきて、とても嬉しいです!
Comment
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前回のポストではご丁寧なお返事をありがとうございます。
まだ少しですがブログを拝見させて頂いて、わたぽんさんのご健闘されてる姿に感化されました。
勝手に応援させて頂きます。
早速拝見させて頂きました。いや~羨ましいです・・・Goodwood^^
テキトーさって、やっぱり日本人が几帳面だから感じてしまいますよね^^;
北米はご存知のように多民族ですから、日本人には考えられない常識ばかりです^^; でもそれはそれでその地の常識だったり「ごく普通」であったりしますから、まず受け入れてから対応しています(笑)
最後のフィッシュ&チップスの写真がまた良かったです。ほのぼのしてて^^
以前暮らしていた町(島)は、元々イギリス系移民で栄えた街なのイギリス色も強く、当然フィッシュ&チップスもありました^^
また、拝見させて頂きます。コメントの有無に関係なく、改めてよろしくお願いいたします。