イギリス理系大学学部進学(留学)にかかった費用とその内訳
こんにちは、わたぽんです。
イギリス大学進学で、結局合計でお金はどれくらいかかるのか?
もちろん大学にも過ごし方にもよりますが、海外大への進学を考える人には気になることですよね。
イギリス進学費用に関しては、以前マシュマロでも質問を受けました。
学費年300万円 + 生活費・家賃・渡航費・ケバブ費などでしょうか。試験終わったらブログで留学総精算しますね!#マシュマロを投げ合おうhttps://t.co/ZlXbbvGy8W pic.twitter.com/Zeq3XLcZjp
— わたぽん@F1目指してた人 (@wataponf1_uk) May 23, 2019
総精算すると言ってから3か月近くたってますね(冷静)
一年の場合はツイートで先に軽く触れてみました。
イギリス生活費ですが、ザっと書き出して毎月以下のようになります。
学費:£19100
家賃:£300~450
光熱費:£30~50
食費: £100~200
(内ケバブ代:£30)
通信費:£15
雑費:£20~他に渡航費、ビザ費、旅行費、保険代等も。遊びに行ったらお金かかるし、ロンドンならもっと家賃高い。
— わたぽん@F1目指してた人 (@wataponf1_uk) May 31, 2019
2019年のレートを1ポンド = 140円で計算すると、12か月計算で約372万円になります。実際ほとんどの人は夏休みで一時帰国するので、その辺の上下はあります。僕の1年目から5年目までを振り返り、細かく見ていきましょう。
まず、年度ごとの前提について
インターンをしていたこともあり、若干ややこしいので解説します。ついでに1ポンド当たり何円かの計算基準も策定。
1年目(180円):サウサンプトン大学理系ファウンデーションコース
2年目(180円):同大学1年生
3年目(145円):2年生
4年目(150円):年間インターン。オックスフォードの北にある村に住む。
5年目(140円):大学に戻り3年生
では、本題です。
学費
イギリス大学進学において最も費用がかかるのが、学費(tuition fee)です。
各大学で学費は違いますが、基本どこでも、イギリス・EU生向けと海外生(International Student)向けの学費が設定されています。そして海外生の学費の方が高い。めちゃくちゃ高い。
イギリス・EU生であれば毎年£9000(2019/20年向けは£9250に増加)。それが海外生向け学費だと倍以上したりします。なんでやねん。
さて、僕が年ごとに払った学費は、以下の通りです。
1年目:£15250 (= ¥2,745,000)
2年目:£18010 (= ¥3,241,800)
3年目:£18010 (= ¥2,624,500)
4年目:£3602 (= ¥540,300)
5年目:£19100 (= ¥2,674,000)
合計:£73972 (= ¥11,825,600)
1182万円。
ちなみに元々僕が行く予定だった立命館大学の工学部の場合、4年間で約600万円のはずでした。うげっ。
しかも2年目→3年目の違いで分かる通り、ちょうどイギリスのEU離脱に関する選挙・その後の議論の時期も重なってたから、ポンドも大混乱。2014年は一時1ポンド=195円ほどもあったのに、2019年現在、1ポンド=140円も割るようになってきています。
また、僕が通っていた2014~2019年の間、毎年のように学費が上がっていたという事実もあります。しかし日本円換算すると、そこまでの増額ではなかったのはラッキーなのか。
学費とポンドに関しては、今後も予断は許されません。
家賃、維持費
学費の次に大きな支出が、家賃関連の費用でしょう。
まず僕の場合の家賃・関連費を紹介し、その後もう少し一般的な話に進みます。
5年間の内、1年目は寮、2-5年目はシェアハウスに住んでいました。以下、年別の家賃を月額と共に。
1年目:約£400/月
2年目:£250/月
3年目:£280/月
4年目:約£466/月
5年目:£320/月
12ヵ月全て払ったとして、合計は£20592。
実際は1年目の寮費は9ヵ月分、2年目は11ヵ月分しか払ってないので、若干上記より低くなります。
ここに、光熱費が加わります。光熱費の管理が月別ではなくややこしいのですが、一般的に30-50ポンド/月と言われています。夏は安く、暖房のいる冬に高くなる。寮だと家賃に光熱費やネット代も込みです。
ただし、これもほんと家によって様々で、4年目に住んでいた家なんかは築250年の石造りの家。元々冷えやすい石造りに、隙間だらけということも重なり、暖房費はかなりかかりました。(暖炉で薪を燃やしたりもして、楽しかったけどw)
家選びの際はEnergy efficiency ratingという指標がありますので、確認することをおすすめします。
ここにさらに、Wi-Fi代金(月約£15)がかかる。Council Taxというものもあるけれど、学生は払わなくていいです。ただ、社会人の方とシェアハウスすると、Council Taxを払わなきゃいけなくなります。要注意。
さらにさらに、寮以外で住む場合、Deposit(前預け金)も考慮する必要があります。Depositはだいたい、1~2か月分の家賃の額となります。家を出る時に家の状態がチェックされ、住んでる人の管理内における損傷があれば、その修理費に充てられます。でも普通にすれば、depositは全額返ってきます。あるいは業者や大家さんに頼るより、自分で直した方が安く済みます。僕は個人から借りた時は良い関係を築けていたこともあり全額返してもらえたのですが、業者経由の時は清掃費として幾らか取られました。(絨毯のクリーニング代金等)
最後に家賃について補足。
もちろんですが、住む場所、街によっても大きく変わります。サウサンプトンでも大学メインキャンパス周辺は街中心部から離れているので、お手頃価格とも言える。逆に高いのはロンドン。寮の直接比較を参考にすると、サウサンプトンの1.7-8倍くらい見ておくべき。オックスフォード周辺も高い。4年目はその被害を受けた。
全部含め、5年総計は£23232。
食費
ふう、やっと食事。
ここまで金額がでかくて頭が痛い。
食事は経験と聞いた話をまとめると、最低100ポンドほどからでも、十分生活できます。やろうとすればもっと安くもできる。
その理由は、税制の違い。別記事で紹介した通り、生鮮食品は課税対象外なイギリス。野菜や肉を買って、自炊する分には、かなりコスパが良い。
しかし外食をしだすと、途端に価格高騰。日本は外食が安いので、その慣れでイギリスで過ごすと、痛い目に合う。僕はそれでもケバブを毎週食べたかったり、時よりFish and Chipsを暴食したくなったり、ランチ持ってくの面倒で大学生協のサンドイッチやパスティを買ってました。友達とごはん行くことだってある。そうすると150~200ポンドくらいかな。時間と考えるコストの方が大事ですし。
最初の2年間は節約して月100ポンド、その後3年は月200ポンドで計算すると、総額は10500ポンド。計算楽だったので夏休みの帰国時等は省いています。
交際費・趣味費
留学では学業が第一目的かとは思いますが、まさか何年もの間、ずっと机の前で勉強してる…なんてほぼ不可能。人によって、友達と遊びに出かけたり、スポーツ観戦したり、旅行したり、色々します。
この費用は人により様々ですが、イギリス留学中にイギリス国内、あるいは他ヨーロッパ諸国に旅行する人は多いです。ヨーロッパはLCCが盛んに飛んでいて、僕も例えばスイスへ行くのに、片道20ポンドほどで済んだこともあります。もしバスに乗れば、往復1万円以内でロンドンからベルギー往復なんてことも簡単にできる。
個人的には、インターンの時に通勤で車を買う必要がありました。一台目は999ポンドで買ったものの、インターン始まる前に壊れる。二台目は1150ポンドで買い、1000ポンドで売った。保険代はだいたい年1500ポンド。そこにプラス、修理費、管理維持費、ガソリン代等がかかりました。
まあ留学中に車を買う人は稀だと思いますが、幾らか趣味や交際の費用は考えておくのが良いでしょう。
僕は車がない時で、食費趣味合わせて月250ポンドが基本ラインでした。余れば休暇期間中の旅行に充ててました。
移動費
バカにならないのが、移動費。特にイギリスー日本間の渡航費。
一回の往復あたり、約10万円します。もちろん、時期・フライトによりますが。
片道でも7-8万円ぐらいかな。
例えばファウンデーションコースから学部卒業までの4年間で、毎年夏だけ日本に帰るとします。それでも合計45万円ほどすることになります。クリスマスやイースター休暇中に一時帰国するという人もいるので、そうするともっと高くなる。逆に2年間帰らないとかすれば、抑えられますね。
ビザ・NHS・IELTS費
もう一つ予想以上にお金がかかったのが、ビザや留学準備のためにかかった費用。
まずイギリスの大学に行くために、英語力証明としてIELTSという試験を受けました。当時一回当たり受験料が25000円。高すぎ。それを2回。
そしてビザの申請代金。
これもバカにならなくて、2019年現在だと348ポンドします。ビザ申請代も2014年に比べて上がってるなあ(たしか)。申請結果早くもらえるサービスや、東京ではなく大阪で申請する等の本筋ではないことをすると、いちゃもんつけてさらに追加料金迫られます。ヤクザかいな。
さらにイギリスの保険制度に加入するということで、一年あたり300ポンド取られます。これは、2015年春までは無料だったのに、イギリスで保険制度を維持できなくなっちゃうと、ビザ取得時の強制費用となりました。
なのに「風邪ひいたー」と病院に行っても「じゃあ、2週間待ちね」とか言われる世界だし、ほとんど利用したことない。一度だけ肌荒れが酷くて行ったけど、受付で「薬局に行け」と言われ終わったw
まあ、あとで紹介する通り役に立ったこともあるんですけど…。
僕の場合、イギリスで一年インターンをしたことで4年→5年にビザを延長。その時に余計に申請費等払うことになりました…。
その他
海外傷害保険等もよく取り沙汰されますが、僕はクレジットカード帯同の保険のみで5年間過ごしました。僕の持っていたクレジットカード(三井住友ビザカード)だと日本を出国してから3か月間保険が効きます。実際、一度ロードバイクを盗難されたことがあったのですが、クレジットカードの保険で対処できました。
また、イギリスにはそもそもNHSという無料保険制度があるんだから、最悪なんとかなるかということで。実際、なんとかなりました。特に救急の場合は役に立ったりします。笑
虫歯も多いので歯医者も心配だったのですが、そもそもイギリスの歯医者の評判が悪すぎて行く気なかったので、歯医者向けの保険にも入りませんでした。
逆に収入を得ることはできるのか?
さて、出費にばかり目を向けてきましたが、逆に収入を得ることは可能なのでしょうか?
イギリスでバイト
ご存知の方も多いかと思いますが、イギリスの学生ビザでは、学期期間中なら週20時間までの就労が、休暇期間中なら通常の時間分の就労が認められています。
かるく最低自給を調べてみると、£6.15と出ました。EU内でも比較的経済規模の小さい国から来た学生は、よくバイトしてます。最近だとUBER EATSとかやってる人も。
ちなみにすぐに始めやすく抵抗が少ないのが、大学内でのバイト。カフェ等で働いてもいいし、イベント時のスタッフお手伝いをするのもあり。
インターン収入
夏季休暇期間中等、有給インターンをするのはおすすめです。外部企業でもいいし、大学内で研究インターンのようなものも募集されていることもあります。一年インターンもあります。
CVにも書けるし、お金にもなるし、できるならやっとくべき。ただし、成績が悪かったりするとインターン取れないので注意。
ブログ収入
僕の場合、ブログでの収入もありました。多い時で月〇万円程度なので多くはありませんが、個人的には外で体動かすバイトよりかは良かった。
稼げるようになるまで時間はかかりますが、一度軌道に乗ると継続して収入を得やすいです。でも最近はほったらかしすぎて月2000円あればいいやーって感じになっちゃった。
その他日本からのリモート収入
ブログ以外にも、日本での収入を得ることはできます。例えば他サイトでの記事執筆だったり、翻訳だったり。考えようによっては色々な方法があるでしょう。クラウドワークスを使って仕事を取ってきたり、ブログ経由でお話しをいただいたりしました。
わたぽんのまとめ的なにか
学費とポンドの振れ幅が大きいのでなんとも言えませんが、やっぱりお金かかったよなあと、書いてて思いました。通常理系学部出るだけで学費1000万円越えかあ。奨学金欲しかった人生でした。
僕個人としては、この”投資”をしたかいがあったと思ってますし、というか信じてますし、これからその証明をしてこうと思います。なんとかするしかない。
なお、冒頭写真がポンド札じゃないのは許してください。。
以上、わたぽんでした。ほなね!
わたぽんの簡単な自己紹介
わたぽん(@wataponf1_uk)
高校生の時に「F1マシンをデザインしたい!」という夢を抱き、F1の中心地:イギリスへ。サウサンプトン大学で宇宙航空工学を専攻中。未熟で失敗ばかりするも、その度に這い上がってきた。そして渡英4年目には、念願であったF1チームでのインターンも獲得。自分と未来を信じて、夢は叶えられると証明したい。詳しいプロフィールはこちら
ブログ「わたぽんWorld」について
僕、わたぽんの「F1のエンジニアになる」という夢を叶える道を綴るブログ。2014年に運営開始。夢に近づけば近づくほど、更新頻度が減っていきます。
テーマは夢とイギリス留学。僕の生き方が励みになると言っていただくことが増えてきて、とても嬉しいです!
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