「~するにはどうすればいいか?」という質問に答えてもらえない理由
最近、こんな質問を受けました。
F1関係の仕事に就くには何を勉強すればいいか教えて欲しいです!
簡潔で、ストレート。
この手の質問は、留学関係でもよく聞きます。
「イギリスに留学するには、何をすればいいですか?」
「どうやったら英語喋れるようになりますか?」
質問の定型文。
きっと質問者側は、純粋に悪気もなく聞いたのでしょう。しかし、誰に聞いても、曖昧な答えしか返ってきません。人によっては、答えない。むしろ呆れられます。アホかお前わ、と。
まあ、さすがにアホか!と言われることは少ないかもしれませんが、例えば留学関係の中だと、
「好きで留学の質問・相談は受けてるけど、あなたのメンターやカウンセラーじゃないんだから、一々こういう質問に答えてられない。」というのは多々聞きます。
一方で、この様な意見もあります。
なるにはどうしたらいいですか?という質問には、一例として先駆者の経験を知りたいという事も含まれているのではないでしょうか!色々な方法がありそうなのは分かっても、具体的な例があった方が他の道筋でも立てやすくなると思います!
正しいです。
というのも、僕も以前は「F1エンジニアなるにはどうしたらいいですか?」と聞いたことがある側でした。なので、なんで?なんでしたあかんの?ただ純粋に知りたいだけやん…!という気持ちはありました。
じゃあなぜダメなのか?
なにがダメなのか?
なぜ質問されると呆れる人もいるのか?
これが今回書きたいこと。優しい大人に教わって、初めて気付いたことでした。
「~するにはどうしたらいいですか?」がダメな理由
率直に書いていきましょう。
まず第一に、質問内容自体が特別悪いわけじゃありません。
なにか目標があると、誰もが思うことでしょう。「どうしたら目標を達成できるのか?」と。その方法に興味がいくのは自然なことで、普段思ってることが口から出たとしても、責め立てるようなことではありません。
しかし現実に聞くと、誰も答えてくれません。
なぜか?
表立った答えは、先ほど例として出した「時間がない」の他、「答えると長くなる」、「曖昧」など。でも実際はそうシンプルじゃなくて、様々な理由が積み重なって、「ああ、この質問には答える必要はないな、時間かける余裕はないかな」と結論づくわけです。
じゃあなぜ、”様々な理由”が積み重なってしまうのでしょうか?
僕の意見としては、それは質問を通して垣間見える質問者側の意図とその後が、なんとなく想像できるからです。つまり、以下のうち最低一つは当てはまります:
- 考えてない
- 調べてない
- 動いてない
- 教えてもどうせやらなさそう
一つずつ掘り下げてみましょう。
考えてない
「~~になるにはどうしたらいいか?」と聞く人の中には、「最適最速で最も楽なルートを知りたい」という思いがあります。
間違ったことではありません。
誰もがなるべく早く、なるべく楽に目標達成したいものですし、効率は大切です。
よし、じゃあ実際に成し遂げた人に聞いてみよう!というのが大まかな流れでしょう。
すなわち、自分で色々模索して考えてみる前に、とりあえず先駆者の話に従っておけばいいという意見。
もう一度言いますが、別にこれ自体は悪いことじゃありません。
しかし、この「考えてない」という行為が、以下の3つを助長してしまうことが多いようです。
調べてない
「とりあえず楽しようとして質問してみた」という人は、まずこの点がいけません。調べてない。
世の中のことは、意外と調べれば分かるものです。
僕はこの事を、村上春樹氏の小説で学んだ…というか、信じるようになりました。「調べれば大抵のことは分かる。」主人公はよく、目当ての連絡先や身の回りのことを、”どうにかして”知りえています。
現実に目を向けてみれば、1980年の東京とは違い、今はネットで各段に情報収集が楽になりました。自分でも、イギリスの大学に行きたい!F1のエンジニアになりたい!と思った時に、頑張れば意外と答え(らしきもの)は見つかるんだと感心しました。
それなのに、
「~~するにはどうしたらいいか分からない。」という人の中には、ちょっと調べるのが足りてないんじゃないかな?と思うこともしばしば。
しかし中には、調べても分からないことがあります。
動いてない
分からないことがあると、それは不確定要素となり、リスクとなります。
どうすればいいか教えてほしい!という人には、そのリスクを消したい…という思いもあるでしょう。
しかし実際に僕が目標を追ってきて気づいたのは、リスクはいつも付き物だということです。
どれだけ周到に準備を進めても、結局はリスクが残ってしまう。リスクを消したいのは分かるけれど、リスクフリーでリターンを得るなんて、そんな2チャンに出てくる広告のダイエット特集みたいなことは中々ありません。
ほんと、呆れるほどにリスクばかり。
リスクを減らそうとするのは良いけれど、リスクがゼロになるまで始めない…では一生始まりません。
あるいは始めたとしても、結果はだいたい見えてます。
動かず質問ばかりする人、周りにもいますよね?
どうせやらなさそう
目標を追いかけだすと、その目標が大きければ大きいほど、分からないことも増えていきます。しかし残念ながら、ずっとメンターがついてるわけでもありません。
その途中で、おのずと求められるのが、以下の能力:
- 調べる
- 考える
- やってみる
…聞き覚えないですか?
そう、「調べる・考える・やってみる」3点セットができない人は、結局最初の一歩を教えたところで、その先はないも同然。
僕が答えを控えるのは、これにまだ気づいてないんだろうなーと思うからです。それはつまり、昔の僕です。
何も考えずに誰かについてけばいいやと思ってた時、調べてはいたけどビビッて何も行動しなかった時、思えば何も進歩がありませんでした。何もできてませんでした。
よく言われる事ですが、「成し遂げる奴は結局、誰に何を言われても勝手にやり始めてしまうんや。」というのは、正しいと思っています。
調べて、考えて、実際にやってみる。そうしてやっと、「あ、これはやっぱあかん」とか「おお、案外うまくいった」みたいなことが分かります。
「~~になるにはどうしたらいいですか?」
こう質問してる人はまだ、
- 結局教えたところで動かないし、
- 動いても考えてないからすぐ人のせいにして諦めるし、
- 調べないから情報不足ですぐ立ち往生になる。
それがなんとなく分かっちゃうから、この手の質問に一々答えていくとキリがない。そこで教えないのもいいけれど、僕としてはまず「なぜ”まだ”教えてくれないのか?」に気づいてほしいなと思います。
そうすれば、調べて、考えて、(もしかしたらここで少し質問…というか確認もしてみて)、動いて…そうして初めて「有意義な質問」も生まれてきます。
質問がうまい人というのは、この点をしっかり自分の中で落とし込めている人なんです。
わたぽんのまとめ的なにか
「~~になるにはどうすればいいか?」
「~~するにはどうしたらいいか?」
この様な質問に風当たりがキツいのは、回答者の意地悪や好き嫌いではありません。人によっては、
「甘っちょろい」
「苦労しろ」
という言ってくるかもしれませんが、僕の見方では、せめて最低限の土台がないと水をやったところで何も育たない、というのが根底にあります。
他にも、答えだすと長くなる、どう答えればいいか分からない、というのもありますね。回答側にとっても、あやふやな質問は答えづらいのです。
必要なのは、
- 調べる
- 考える
- やってみる
ということ。
幸い、この3つは意識すれば誰にでもできること。逆に言えば、この3つができると不用な質問が減るし、本当に自分が必要な質問が出てきた時に、答えてもらえるようになります。
目標を追って学べた、僕の小さなtips。
p.s. 質問を受けたのはSarahahというサービスを通して、匿名で受けました。たいていの質問にはツイッター、あるいはブログで答えています。(どっちで答えるかは気分による。)
登録不要なので、お気軽にどうぞ:Watapom.Sarahah.com
わたぽんの簡単な自己紹介
わたぽん(@wataponf1_uk)
高校生の時に「F1マシンをデザインしたい!」という夢を抱き、F1の中心地:イギリスへ。サウサンプトン大学で宇宙航空工学を専攻中。未熟で失敗ばかりするも、その度に這い上がってきた。そして渡英4年目には、念願であったF1チームでのインターンも獲得。自分と未来を信じて、夢は叶えられると証明したい。詳しいプロフィールはこちら
ブログ「わたぽんWorld」について
僕、わたぽんの「F1のエンジニアになる」という夢を叶える道を綴るブログ。2014年に運営開始。夢に近づけば近づくほど、更新頻度が減っていきます。
テーマは夢とイギリス留学。僕の生き方が励みになると言っていただくことが増えてきて、とても嬉しいです!
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