留学中辛い時に思い出すのは、反抗ばかりしていた親だったりする
こんにちは、わたぽんです。
留学していると、時に辛いこともあるでしょう。
異国の地では言語や文化が違い、場合によっては差別なんかも未だあります。楽しいことばかりじゃない。そんな時、ふと思い出すことがあります。日本にいた頃の、親とのことを。
特に留学したいと考える人にとって、親は時に”敵”のように扱われます。何を隠そう、僕もその一人でした。僕の道を邪魔しないでくれって思ってた。
でも留学中、自分の中で大きく変わったこと。その一つは、親への想いでした。そして僕達は、親に対し何ができるのでしょうか?
反抗ばかりしていた留学前
少し個人的なことを。
留学前の僕は、いつも親に反抗していました。ほんとに、毎日のように。中学や高校の頃は、何もかも話が合わないと考えていたし、話し終わると扉は激しい音をたてて閉まり、それがまた親の怒りを買う。最悪な息子でした。
中学の頃は「ゲームばかりしてるな」と言われたり、あるいは学校でのストレスを家でぶちまけてただけなのかもしれません。でも、高校に入ってからは違いました。僕には夢ができた。
でも、夢を追ってイギリスへ行きたいと話した時、親は有無も言わずに否定してきました。
当時の僕らにはもう、話す余地さえなかった。
僕はそれでも諦めたくなく、機会を見つけては訴え、具体的な行動を通し結果も示していきました。結果、親は徐々に心を開いてくれ、最終的にイギリスの大学へ行くことになりました。よく受ける質問ですが、学費も親に支払ってもらっています。
ですが、僕の見方としてはずっと、
「親を説得させた」
でした。
あんなに反抗し、様々ないざこざがあった後。「親に助けてもらった」なんて言いたくなかった。
親孝行のカケラもない。
逃げるように、そして開放されるように、イギリスへと飛び立ちました。
留学中、辛い時に思い出すのは決まった姿
イギリスの大学に進学して1ヵ月もしない頃。お父さんが突然、一人でイギリスに来ました。
「突然行くって言って、譲らへんかってん」
お母さんはそう教えてくれた。そういえば両親は、イギリスへ来たことがなかった。
僕は早く、一人にしてほしいとばかり思っていました。でも、実際にバスから背の高い白人に囲まれて降りてくる父親を見ると、とても嬉しかった。なんでやろ。
「どうせ無理して安くてマズいもんばっかり食べてるやろから、美味しいもん食べさせてあげってお母さんに言われてる」
ビクッ。
たしかに僕は砂のような味のするフライドポテトや、節約しようと味付けのヘタクソな自炊料理ばかり食べていました。黙って頷き、僕らはTGIFridaysに足を運ぶ。なんかイギリスっぽさそうだったので。(ここがアメリカのファミレスで、日本にもあると知ったのは3年後でした。)
あの時からだったと思います、親への見方が変わったのは。
留学を始めて2ヵ月ほどもたつと、どうにもうまくいかないことが多くなりました。イギリスでの生活は、思った以上に大変だった。夜家に帰っては、何もできなくて進歩も感じられない自分に、嫌気が差すことも多かった。
なんだか辛いなあと思うようになりました。
そしてそんな時はよく、過去を振り返ってしまいました。留学前のこと。親を説得して家を飛び出した自分。
でも思い出した親の姿は、怒った顔なんてしていませんでした。むしろ助けてもらった姿ばっかり、思い出してしまう。イギリスへ飛び立つ前に空港で撮った写真をおもむろに引っ張り出す。「早く一人にさせてよ」と言いたげな表情の僕と、笑いきれていない家族。手を振って見送ってくれた親に対し、僕はそそくさと手荷物検査室へ入っていった。
思い出しては、一人しょぼくれていました。
でも……、でも、自分がしょげてる姿を親は望んでいるのでしょうか?
きっと違うはず。親は常に、自分の活躍と成功を願ってくれているはず。僕は反抗していたし、親も中々素直に応援コメントなんてしてくれる柄ではなかった。けれど、思い出したシーンにはいつも、こっそり見守ってくれる親の姿がある。なんやかんや言って、最後は助けてくれていたりする。
このままずっと落ち込んでるわけにはいかない。
自分が成長する姿を形としてハッキリと見せてあげたい。
それこそが、親への最大の恩返し。
留学中、イギリスで一人で落ち込む度に思い出しては、親の姿に常に励まされてきました。
留学すると、否応なしに親と距離を置くことになります。人によっては嬉しいかもしれません。僕のように、開放された気分になるかもしれません。
でも同時に、離れることで見えてくることもあります。一緒に過ごしていた時には、気づかなかったことが見えてくる。見方が大きく変わるのは、なにも不自然なことではありません。
そんな時に僕らが親に対してできるのは、二つしかないと思っています。
- 中途半端な留学にしないこと
- そして、感謝を伝えること
そしてできれば、結果で証明する。
感謝を伝えたいなら、今しかない
結果で親に証明できれば、最高の恩返しになりえます。
同時に、日々感謝の気持ちを伝えることも大切。結果を出すことは時間がかかるのに対し、感謝の気持ちは今すぐにでも伝えられる。
ただ留学していると、中々親に「ありがとう」なんて言える機会がない。
例えば一年留学すると、丸一年、親とは会えないことになります。もしかしたら親の方から、留学先に遊びにきてくれるかもしれない。それでも半年ほど、会えない期間はできてしまう。もちろんLINEやメールで伝えることはできても、コミュニケーションは自宅にいた頃に比べ格段に減ります。
僕の場合はあろうことか、親に自ら電話をかけたことが一度しかありません。4年以上の留学生活の中で。
そう話すと、ヨーロッパの友達はよく驚くのです。イタリアやルーマニア、あるいはリトアニア。他の欧州諸国からイギリスの大学へ来た彼らの多くは、毎週のように親と電話をしていたりしました。もちろん文化の違いはあるけれど、自分がなんて親不孝な奴なんやろうって思うこともあります。もっと連絡を頻繁に取るべきだったのかもしれない。でも結局、今更電話で話すことも思いつかず、電話をかけたのは一度のまま。
でも、親への感謝を伝える時間は、確実に減ってきている。海を渡っている間、親も同様に歳を取る。
それを感じだしたのは、イギリスでの1年目を終えて日本に一時帰国した時のこと。
家族で北海道旅行中。親の運転でドライブしていました。流れる大自然をぼーっと眺めながら、後部座席に収まる僕。
親ととりとめもない話をしていた時に、親がポツリともらしたこと。
「どうも冬からちょっと体調が悪かったみたいやねん。毎日ホルモン剤を摂取し出してから、全然なんともなくなったんやけどね。笑」
ああ、そんな話聞きたくないって思いました。ケンカばかりしてたことや、口をほとんど聞かなかった日々のことをふと思い出す。まだまだ先だと思っていた親との関係。それは永遠ではないんやと思いだした瞬間でした。
ふと感じたこと、それは”親を不安にさせるわけにはいかない“ということ。だから「そうなんや、元気になって良かったなあ」とだけ言い、僕は窓の外を眺め続けました。そして誓った。もう絶対にこの夢を、留学生活を、なんとしてでも最高の形で終わらせないと。中途半端なんて答えはないんだって。
読者の方の中にも、親のことを思い出してホームシックのような状態になったり、留学の費用を払ってもらっている罪悪感が出てきたりするかもしれません。後ろ向きに考えてしまうかもしれません。ただ一つ分かっていることがあります。それは、親の想いに対して答えを出せるのは、自分しかいないんだってこと。他の誰でもない、自分。
きっと、人によっては本当に親との思い出なんてないのかもしれません。その点、僕はただ幸せな家庭で育ったんだって思います。
でも幸せな家庭で育った、だからこそ、親に感謝し、ずっと前に進み続けるんだって思っています。「ありがとう」って伝えられるよう、今日も頑張るんだって。
わたぽんのまとめ的なにか
辛い時に思い出すのは、反抗ばかりしていた親でした。
もちろん、反抗期の時にそんなこと考えたことはなかったです。でも留学して、親と長い間離れて、初めて親に感謝できるようになったし、幸せな家庭で育ったんだって思えるようになりました。
もし君も同じように感じることがあるのならば、僕達に今できることはただ二つ。
- 中途半端な留学にしないこと
- そして、感謝を伝えること
締めくくる前に、ちょっと好きな歌詞を引用してみる。
Nobody’s home yeah
Nobody’s home yeah
本当に迷惑ばかりかけてきたから
いつか必ず超えて必ず
僕の見せたい景色を見せるから
ありがとう。
まだまだ前に進み続けるよ。
わたぽんの簡単な自己紹介
わたぽん(@wataponf1_uk)
高校生の時に「F1マシンをデザインしたい!」という夢を抱き、F1の中心地:イギリスへ。サウサンプトン大学で宇宙航空工学を専攻中。未熟で失敗ばかりするも、その度に這い上がってきた。そして渡英4年目には、念願であったF1チームでのインターンも獲得。自分と未来を信じて、夢は叶えられると証明したい。詳しいプロフィールはこちら
ブログ「わたぽんWorld」について
僕、わたぽんの「F1のエンジニアになる」という夢を叶える道を綴るブログ。2014年に運営開始。夢に近づけば近づくほど、更新頻度が減っていきます。
テーマは夢とイギリス留学。僕の生き方が励みになると言っていただくことが増えてきて、とても嬉しいです!
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