学費は122万円増えたお!ドルよりもユーロよりも、イギリス・ポンドが留学費用増加に響いている件
こんにちは、わたぽんです。
2015年は為替相場が意味分からないことになってますね。大円安感謝祭、輸出うるおう、観光客増える、アベノミクス万歳!というとこでしょうか。
日本人留学生(´・ω・`)ショボーン
運が悪いというのか、政府よせめて1ドル=100円のときに戻してくれというのか…海外へ出る日本人留学生とその親の懐事情にかなり色濃く影を落としています。
「トビタテ留学JAPAN!」なんてやるより、円安を是正(ここでは円安傾向を収める方向に)する方が、僕たち日本からトビタッテる留学生は喜ぶのですが…。
そんな中でも最もひどいのが、イギリス・ポンドだというのはご存じでしょうか?ポンド高の残虐な仕打ちをご紹介しましょう。
円対ポンドの変わり具合
グラフは10年単位で見たものです。
リーマンショック以前もポンド高が目立ち、「1ポンド=250円」だったりしますが、リーマンショックを境に「1ポンド=120円」ほどまで下がっていた時期がありました。
それが、2015年となっては、また「1ポンド=200円」ぐらいまで上がってきています。おえっ。
めちゃくちゃです。
今回は、「1ポンド=120円」だった留学生が幸せだった時代と、「1ポンド=200円」で留学費用が日に日に上がってきている2015年の値を使って、どれだけ支払額が増えるのかを見てみましょう。細かいことは気にしない。
学費は○円増
まずは学費からです。
イギリスの大学って、最近めちゃくちゃ金取るようになりました。イギリス政府もお金ないので、財源確保のために海外留学生の学費を上げたりして対応しているんですよね。
2015年~2016年のイギリス・サウサンプトン大学のファウンデーションコースの学費は15250ポンドです。
ちなみにイギリス人は9000ポンド。なぬぅ。
この6250ポンドについてはもう放っておいて、せこせこと計算してみましょう。
「1ポンド=120円」の場合
15250[ポンド] × 120[円] = 1830000[円]
183万円です。
ちなみに僕は元々立命館大学理工学部に進む予定だったため、1回生なら165万8千円(2015年度)となっていました。
ほぼ変わりませんね。イギリス行っても日本にいてもこの差なら、「ちょっとイギリス行ってくるわ。」とでも言えるわけです。
「1ポンド=200円」の場合
あー嫌やな、計算するの…。
15250[ポンド] × 200[円] = 3050000[円]
お待たせいたしました。305万円でございます。m(__)m
つまり、305万 – 183万 = 122万円増えたわけですね。
122万円増えたわけですね。
円安ポンド高が決まった!The End.
さすがにこの上がり方には、もう目を丸くするどころか、目が飛び出る思いです。
寮費・家賃は○円増
さて、次は寮費・家賃です。
1年目はサウサンプトン大学寮の一番下のグレード部屋、その代わり大学からは徒歩10分のところに住んでいました。学費のデータと合わせるため2015/16年の寮費で計算すると、100.03ポンド/週。一か月なら約400ポンドでした。
そして滞在期間は9月半ば~6月終わりまでで、4,087ポンドかかりました。今回はこの値を使用。
「1ポンド=120円」の場合
4087[ポンド] × 120[円] = 490440[円]
年間(大学期間中)で約50万でした。まだまだ良い時代です。
「1ポンド=200円」の場合
4087[ポンド] × 200[円] = 817400[円]
約はちじゅうまんでござひまふ。。
817400 – 490440 = 326960円の増加
326960円の増加
イギリスで何もせずすごすだけで30万以上費用がかさむんですね、はい。
もう目が飛び出した後なので、次は舌が飛び出します。びよよーん。
食費・雑費は○円増
この計算セクション最後を飾るのは、食費です。
食費に関してはもう色々な値があるのですが、自炊をがんばりお菓子も食べ、まあちょっと外出したりする諸費用も含め最低月100ポンドでした。もっと下げることもできますし、もっと上げることもできますが、計算もしやすいので月100ポンドで計算しましょう。
月100ポンドなので、9月半ば~6月終わりまでの滞在で、9カ月半、つまり950ポンド。あーもうめんどくさいし1000ポンドで計算!(実際はもっとかかると見とく方が良いかと思います。費用については他記事でまた詳しく書いていくつもりです。)
「1ポンド=120円」の場合
1000[ポンド] × 120[円] = 120000[円]
一回イギリス飛んで9カ月半後に帰ってこれば、12万円がごはんや雑費に消える計算で通用しました昔は。やはり良い時代。
「1ポンド=200円」の場合
1000[ポンド] × 200[円] = 200000[円]
しかし今は同じ物食べて同じようにお金を使っても、20万円失う時代になりました。
20万 – 12万 = 8万円の出費増加です。
8万円の出費増加です。
これだけ切り取れば、ギリギリ許容範囲か、いや、アウトやろ。
8万円あれば、一時期2500億円で建てようとしていた新国立競技場の0.00000032%を作ることができる金額です。多分株をすればいずれ100万円ぐらいになるから、もう少し新国立競技場の建設に貢献できるかもしれません。
「トビタテ留学JAPAN!」でもらえる奨学金と比べてみた
政府が意気揚々とやってる留学制作「トビタテ留学JAPAN!」では、奨学金を無償で得ることが可能です。
あ、海外の高校や大学に直接進学する人はもらえないという理不尽な仕打ちをされているので注意!笑
(参考:謎多き奨学金「トビタテ!留学JAPAN」、海外の大学へ進学する人へはトビタッテほしくないのだろうか?)
笑えないんですけどね。。
いずれにせよ、この奨学金は渡航先や留学の期間などにより支給額が千差万別なようです。例えば50万円給付されるとしましょう。あ、100万円でもいいです。
そして、円安が進んだことによってイギリスの大学進学にかかった費用が…年間で、
1220000円 + 326960円 + 80000円 =…
…
1626960円
162万以上費用が増えたわけです。100万円給付されても、円高時の方が安く行けたのです。円安、恐るべし…
だから、もし単純に留学生を増やしたいというのなら、50万円や100万円の金を給付するよりも、円高を進める方が、少なくとも費用的には楽になって留学しようという人も増えるでしょう。
実際は日本全体の収支、各家庭の所得、イギリスの政策、EUの政策…等と様々な要素が絡み合っているので、そう単純な話ではないですが。
ポンドの上がり方はドルやユーロよりも激しい
イギリス・ポンドの日本円に対する上がり方は、実はアメリカ・ドルやユーロなんかよりも激しいです。
まずこちらがアメリカ・ドルの過去10年間の推移。
80円ぐらいで底を打っています。そして今は125円ぐらい。つまり上げ幅は1ドル当たり45円です。
次に対ユーロの過去10年の推移。
みんな同じようなグラフしてて面白いですね。と思ったら同じグラフ貼っていた。笑
すいません、こちらが対ユーロのグラフです。
なんか動きがややこしいですが、底値は100円、そこから135円まで上げてきたという感じです。
つまり上がったのは35円。
ところが、イギリス・ポンドは先ほどから計算している通り、1ポンド当たりで80円も増加しています。
実は計算めんどくさくて…190円で計算した方が良かったかな。w
それでも70円の増加ですから、ドルやユーロなんかとは比べものにならないぐらいの上がり方です。
細かいことを言うと、アメリカとイギリスの物価の違いで、全体的なダメージは変わってきます。特にアメリカの大学は、州立か私立かでめちゃくちゃ変わったりするので、一概には言えないです。しかし、為替の値動きという視点では、円安・ポンド高が招く費用増加が圧倒しています。
わたぽんのまとめ的なにか
いつもこういうこと考えると、イギリスの大学行かなきゃ良かった…とか、お母さん、お父さん、ごめんね…と考えてしまいます。
でも謝っても後悔しても、何も生まれません。
「増えた分取り返してやる」ぐらいの気持ちが必要だし、もしお金を払うことができるなら、自分の求めていた留学や海外進学をできるなら、「ごめん、でもその分頑張る。損はさせない!」と思うぐらいの方が良いでしょう。
今回の計算は、最安値と最高値のデータを扱ったので結構大げさなものになっています。しかし僕が大学に願書を送った頃からもかなり上がっているので、僕にとってはそんなに的外れの値とも言えません。
そんなことよりポンド安くなることを切実に願います。
多分1円安くなるだけで6ポンドのケバブセットを十分楽しめるはず…。
以上、わたぽんでした。ほなね!
わたぽんの簡単な自己紹介
わたぽん(@wataponf1_uk)
高校生の時に「F1マシンをデザインしたい!」という夢を抱き、F1の中心地:イギリスへ。サウサンプトン大学で宇宙航空工学を専攻中。未熟で失敗ばかりするも、その度に這い上がってきた。そして渡英4年目には、念願であったF1チームでのインターンも獲得。自分と未来を信じて、夢は叶えられると証明したい。詳しいプロフィールはこちら
ブログ「わたぽんWorld」について
僕、わたぽんの「F1のエンジニアになる」という夢を叶える道を綴るブログ。2014年に運営開始。夢に近づけば近づくほど、更新頻度が減っていきます。
テーマは夢とイギリス留学。僕の生き方が励みになると言っていただくことが増えてきて、とても嬉しいです!
Comment
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わたぽんさん、はじめまして。突然のコメントを失礼します。
2016年秋から、わたぽんさんの在学されている大学への留学を考えている、たぬーと申します。
今まさに出願準備やらの真っ最中で、わたぽんさんの学費以外の費用に関しての記事がとても参考になりました。
ありがとうございます。
今後もこのブログを参考にさせていただきたいと思います。
これからも忙しいとは思いますが、ブログを更新されるのを楽しみにしております。
たぬーさん、コメントありがとうございます!
サウサンプトン大学に関してなら、僕や僕の知り合いに聞くことでだいたい分かるので、ネットに乗ってないようなことがあれば、お気軽にご質問ください^^