G型大学とL型大学、僕たち学生はこの議論から、大事なことを見抜かなければならない。

最近なにかと話題のG型大学、L型大学。GlobalとLocalの略なのだそうです。議論の元として、コンサルタントの冨山和彦氏がプレゼンした資料がPDFで見れます。

簡単にG型とL型について説明すると、アカデミックで世界的競争力を養うGlobal型の大学と、実用的で国内需要に基づいたLocal型の大学に分けよう、ということです。G型は全体の1割程度で良いという意見も。
(参考:東大だってえ「L型大学」だ!真の「G型大学」が存在しない日本で教えるべき「経済」とは – 現代ビジネス、G型大学とL型大学 – 池田信夫 blog)

 

的を得ている、大学の仕分け

僕はこの仕分けは、的を得ていると思います。日本の大学って、どうやって実際に役立たせるのか分からないけど学ぶこと多いじゃないですか。そして学んだことと全く関係ない会社に就職して、そこで一生雇用。それなら率直に、大学に行くのは無駄なのでは?と思っていたからです。特にレベルの低い大学になっていくと、すべてが中途半端になってしまって、行く意味がさらになくなってきます。レベルの高い大学の方が、まだ専門的なことをしっかり学ぶことが可能ですから。

そこでこのG型大学とL型大学の登場、というわけですね。アカデミックなことする大学を限定して、あとは実用的なこと学ぼう!と。これなら皆ハッピー。全員が無駄になんとか理論とか学ぶ必要もなくなり、社会にでてから役立てる人になるのですから、学生にとっても嬉しいはずです。

しかし、なぜこの議論が今でてきたと思いますか?僕はもう少し早くでてきても、おかしくなかったと思っています。なぜなら、「G型とL型大学の仕分けは世界の変化によって導き出された意見」だからです。

 

G型とL型、仕分けの本質?

G型大学とL型大学を、少し言い換えて紹介してみましょう。

G型大学はアカデミックなことを学ぶ、いわば普段生きていくうえで実用的ではないけど、技術や世界の進化には欠かせないことを学ぶための大学です。いわゆる国家プロジェクト、最先端技術などが関わってくる、もしくは世界的大企業を動かす人間を育てるため、世界との競争に耐えうる人材を育てる必要があります。ゆえにグローバル型大学ということ。まあ、エリート型です。

逆にL型大学は普段生きていくために必要なことを学ぼうと。難しいこと考えなくてもいいから、どうやって頭のいい人が作ったものを扱うか、どう活かすかを学ぶための大学です。うがった見方をすると、召使いのようにも聞こえます。

つまり、2つに分けられることで、「大学の仕分け」だけでなく、「学生の仕分け」もされているのです。いわゆる格差社会に従った流れ。一部の人間が技術革新、制度確信を行い、あとはそれをうまく使いこなせればいいんだよ、とあからさまに言われているのです。

そしてもう1つ言えることは、今の大学がほぼ無駄だということ。例えば経済学部の生徒が経済について学んで、実際に経済の躍進に役立っている人って、何人いるんでしょう?日本経済の下振れ加減を見れば、いないのかもと錯覚さえしてしまいますよね。工学部だって、なんとかの法則とかを頑張って学んだのに、会社では営業、というのはよく聞きます。実際に大学で学んだことを、社会で生かす人って、相当少ないのではないのでしょうか?つまり、大学での教育に無駄が多いということ。

 

学生は本質を見抜き、考えなければならない

このG型、L型大学が実際に生まれれば、僕たちは大学に入る時点で、将来やることの方向性が決められてしまうことになります。もちろんそれはL型大学なら社会にでてから役に立つことを学べるし、G型大学に行けば日本どころか、人類を代表してレベルの高いことを学べるはずです。しかしやり直しがしにくい日本の社会で、この仕分けをハッキリと行うのは、リスキーです。(今でも一流大学とか三流とかありますが。)

(ちなみに僕が今いるイギリスも、実は少し似たような構造をしています。イギリスでは日本でいう高校に入る時に、大学に行くか職業訓練校的なとこに行くか、選択しなければいけないのです。しかしイギリスでは、やり直せる機会(ファウンデーションコース等)がしっかりとあり、そもそも日本のように再挑戦に対して否定的な見方をしません。もし海外の様子を見て真似しよう、という感じなら、今の制度、風習を根本的に変えないといけないでしょう。)

また今回の議論で、今の大学でやってることが、ハッキリと無駄、役立たない可能性が高い、と示されたわけです。今、学生である僕たちはそこから考えなければいけません。僕たちには本当に大学が必要なのか?などという風に。高い費用を払って大学に行くぐらいなら、プログラミングセミナーに言ってプログラミングを習得するとか、実際にローリスクなビジネスをネットで始めてみるとか、そういうことの方が将来の役にたつかもしれません。

G型大学、L型大学。大人たちのしているこの議論に、首をつっこむ必要はないです。どうせ決めるのは、一部の東大卒です。なぜ今それがされているのか?それがこの先、どう影響を及ぼしていくのか?今、学生である僕たちは、議論から大事なことを見抜き、自分たちの今と今後に生かしていくべきなのです。

以上、わたぽんでした。ほなね!



わたぽんの簡単な自己紹介

わたぽん(@wataponf1_uk)
高校生の時に「F1マシンをデザインしたい!」という夢を抱き、F1の中心地:イギリスへ。サウサンプトン大学で宇宙航空工学を専攻中。未熟で失敗ばかりするも、その度に這い上がってきた。そして渡英4年目には、念願であったF1チームでのインターンも獲得。自分と未来を信じて、夢は叶えられると証明したい。詳しいプロフィールはこちら

ブログ「わたぽんWorld」について

僕、わたぽんの「F1のエンジニアになる」という夢を叶える道を綴るブログ。2014年に運営開始。夢に近づけば近づくほど、更新頻度が減っていきます。
テーマは夢とイギリス留学。僕の生き方が励みになると言っていただくことが増えてきて、とても嬉しいです!

Related post

Comment

  1. No comments yet.

  1. No trackbacks yet.

プロフィール

わたぽん(@wataponf1_uk)

高校生の時に「F1マシンをデザインしたい!」という夢を抱き、F1の中心地:イギリスへ。サウサンプトン大学で宇宙航空工学を専攻。そして渡英4年目には、念願であったF1チームでの1年インターンも獲得。現在は卒業し、日本でF1から離れ生活中。 詳しいプロフィールはこちら


Twitter Facebook note

おすすめ記事

アーカイブ

Return Top