イギリスの大学の新歓期は何するの?そして講義で始まらない1週目
こんにちは、イギリスで大学生してるわたぽんです。
サウサンプトン大学にいるのは2年目ですが、1年目はファウンデーション(学部進学準備)コースだったので、やっと”ふつうの”大学学部1回生になりました。
さて、イギリスの大学には講義がスタートするWeek1の前に、Freshers’ Weekと呼ばれる、いわゆる新歓ウィークがあります。コース登録やWelcome Talk、学部・学科・コース紹介の他、クラブイベントやソサエティー(サークル)選びのためのイベント、謎なイベントまで色々行われます。
そのFreshers’ Weekの紹介をしようと思っていたのですが、通常講義が始まるはずのWeek1も中々面白い取り組みの盛りだくさんだったので、まとめて「イギリスの大学の新歓期はこんなんだよ!」っていうのと、「サウサンプトン大学の航空工学学科は○○で始まった!」ということをつらつらと紹介することにしました。
では、とあるイギリスの大学の新歓期の様子をどうぞ。
Freshers’ Weekで最も退屈なお話しの時間
まずは退屈なものから。
Freshers’ weekには楽しいイベントばかりでなく、退屈なお話しもいくつかあります。スーツを着た新入生が一同に集まっての入学式…というものはなく、Welcome Talk、またはInduction Talkというものがいくつかあります。だいたい大学全体、学部全体、学科全体の3つぐらい、”なんとかTalk”がありました。
これがかなり退屈で、大学について事前に調べて来ていたらふつう知ってるでしょ。というようなお話しばかり。
しかしイベント概要をみると、“Compulsory(参加必須)”と書いてあるじゃないですか。さらに、「来なければ、退学になる可能性もあります」と脅してきます。これは行かなきゃヤバいやつです。
ちなみに、ファウンデーションコースに入学したときに最初にあったやつは朝10時からでした。それほど早い時間でもなく、寝坊の心配が少ないのが唯一の安心材料。その前夜はクラブに行きました。
そして当日、朝起きたら既に10時過ぎてました…。
当時はイギリス来てまだ1週間もたってない身。正直、かなり焦った僕。1週間前、家族や友達などに勢いよく行ってきます!!と言ってやってきたのに、1週間もせずに退学とか笑えません。
まあこの”compulsory”の文字、やたら色んなイベントに書かれているのですが、コース登録以外では休んでも全く問題なしだったんですが。笑 ややこしいこと書くなよ…。
どのソサエティに入る?すべてのソサエティのブースが集まるBunfight
Freshers’ Weekの昼間に行われるイベントで最も大きなものは、多分Bunfightでしょう。
Bunfightと初めて聞いた時、いったいなにを”fight”するんやろ…と思っていたのですが、正体はただのソサエティ(サークル)紹介イベントでした。日本の大学に様々なサークルがあるのと同じく、イギリスの大学にも多くのソサエティがあります。
適当に面白そうなものを挙げれば、
- スカイダイビング
- バーベキュー
- ケーキデコレーション
- カポエラ
- DJ
- クディッチ
- ベジタリアン
- Wessex Motor Club
- 学生フォーミュラ
などがあります。バーベキューソサエティって、かなりストレートですね。。ちなみに”Wessex Motor Club”では2週間に一回ぐらいカートしにいってます。そして、そのソサエティ内で最も速いドライバーは、学生フォーミュラのドライバーとして、夏にシルバーストーンで走ることになっています。
もちろんサッカーやダンス系のソサエティなどのよく見るやつも、ちゃんと揃っています。
これらのソサエティのブースが一同に集まり、勧誘、チラシ配布、メーリングリスト登録、ナンパなどを各ソサエティが競いあっています。いやナンパはほぼないか…。逆に参加者は興味のあるソサエティのメーリングリストに登録したり、チラシをもらったり話しを聞いたりできます。
Freshers’ Weekは夜が本番!クラブとその他イベント
Freshers’ Weekでは、夜のイベントが本番と言っても過言ではありません。
最も分かりやすいものがクラブイベント。なんと大学内の一部施設がクラブにアレンジされ、最初の大きなクラブイベントが催されます。もちろんバーカウンターもあります。イギリスでは18歳から飲酒可能なので、日本に比べお酒を置きやすいという面もあるでしょう。大学来る人はほぼ18歳以上なので。
クラブイベントは大学内だけに留まらず、サウサンプトンの市街地方面にある一般のクラブでも催されます。一部地域にクラブが集まっていて、そのエリアのクラブ入り放題とか。
他にもLaughter Loungeというイベントや、パブでのカラオケ等があります。詳しくはイギリス来てすぐにFreshers Weekに興奮した僕が書いた記事があるので、そちらを見ていただく方が夜のイベントについては分かりやすいかと思います。
参考:Freshers Week!サウサンプトン大学の新歓前半戦を振り返る
ワインとチーズのテイスティングという謎に優雅なイベントもあります。
Week1は講義なし?特殊な取り組みで始まった僕の学科
ところで、Fresher’ Weekが終わった後は講義が始まりだし、大学生は忙しく勉強や実験に追われる…と思いきゃ、僕の学科はちょっと違いました。
ふつうのWeek1は講義とIntroductionと…
通常、Freshers’ Weekが終わると、次の週は各講義の通常日程が始まります。Week1はまず各教科のIntroductionから入り、ともすれば一気にセメスター1の講義内容スタートだったりします。実験や演習の時間はWeek2や3あたりから始まります。
その点、僕の時間割では数学が二つあって、Thermofluidsというのが一つあって、えっと、それで終わりでした。笑 めっちゃ楽なスタートやん!と前の週の木曜日までは浮かれていたのですが、この空いた時間は昼寝とパーティーと料理のためではありませんでした。
いきなり伝えられた課題
Freshers’ Weekも終わりに差し掛かった金曜日、次の週は講義が始まりだすWeek1。僕の学科のInduction Talkがありました。上に書いた通り、Induction Talkは面白くないだいたい知ってるような話をつらつらと聞く時間です。
しかし学科のInduction Talkは二重の意味で面白く、知らないことばっかりの時間でした。
まず、担当教授達の話がインパクトありすぎた。
「お前ら、どうせF1とかそういうもん目指してるんやろ?」
と真意をついてきたり(この後F1のエンジニア目指してる人は手を挙げさせられた、いっぱいいた)、
「私たちが飛行機でもクアッドコプターでもなんでも作れるように導きますよ。」
とめちゃくちゃ夢のあることを優しそうなおじいちゃん教授が優しい笑顔と口調で話してて、興奮ものでした。そこへ興奮というか、驚くべきことが伝えられました。
「えー、来週はグループワークとしてグライダーを作ってもらい、一週間後にコンペティションを行います。」
一同、唖然。
ほぼ何もなかった一週間の予定が、一気に破滅へと追いやられました。このグループワークで、制作前のミーティング、グライダー制作、プレゼン準備、そしてコンペティションのための時間が必要となりました。
と、何か悲観的な目線で書いてますが、実際は結構ワクワクしてました。
講義で黙々と教えられるのではなく、実際に木材や工具が割り当てられ、小さいとはいえ本物の、かなりしっかりとしたグライダーを作れるのです!こんなに面白い取り組みで始まるなんて、想像していませんでした。
グライダーコンペ概要
各グループ7~8人で、コンペに向けてグライダーを作ります。グライダーとは、いわば簡易飛行機と想像すればいいと思います。
そしてコンペでは、高校の普通教室2~3個分ほど離れたところにある壁のどこにグライダー到達するかで得点を競いました。一位のグループにはたしか景品がありました。
グライダー作りでは、一週間のうちに2時間半だけ、実験室での作業が許されています。基本的にはその時間内でグライダーを作ることになります。だから、その前に各グループでミーティングをして、デザインコンセプトをある程度決めておかないといけません。
また、コンペの後にグライダーのコンセプトについてのプレゼンもありました。
まあ僕みたいな語学力低めコミュ障留学生にとっては、「いきなりイギリス人とグループワークしてしかもプレゼンあるんか…汗」となるわけですね。正直、初めて会ったいかつい外人に英語で話しかけられた時ぐらいビビッてました。
このコンペの目的は成績どうこうというよりも、空気力学をこれから学ぶ学生達のための、仲良くなるためのアクティビティー的なものです。深い意味はないはず。
ちなみに小さな風洞も使うことができました。
そういえば航空ミュージアムにも行った
これらのアクティビティーと並行して、僕の学科ではサウサンプトンにある航空ミュージアムにも行きました。もちろん無料です。
イギリスの航空ミュージアムらしく、イギリス内では伝説の飛行機「スピットファイア」も近くで見ることができます。
空気力学についてこれから学ぶ生徒にとって、最高の遠足のようなものでした。
グライダー制作とコンペ、そして博物館へのフィールドトリップ…大学の勉強のスタート代わりには、最適な取り組みの一つじゃないかなと思います。他のところがどうかは知りませんが、実際に何か作ったり、これから学ぶことについて体で感じられる取り組みで大学での勉強をスタートさせるのは、良いことですよね。
わたぽんのまとめ的なにか
以上、イギリス、サウサンプトン大学の新歓についてと、Aeronautics & Astronautics学科の始まりについてでした。日本と似てるものもあれば、お酒が18歳から合法な分、公に激しいパーティーが多々あったりと、違う部分もあります。どっちが好みでしょうか?笑
イギリスで大学一年生になってブログ更新滞っていますが、今後も適度にイギリスのこと紹介したり、ふと思ったこと書いてきます。
以上、わたぽんでした。ほなね!
わたぽんの簡単な自己紹介
わたぽん(@wataponf1_uk)
高校生の時に「F1マシンをデザインしたい!」という夢を抱き、F1の中心地:イギリスへ。サウサンプトン大学で宇宙航空工学を専攻中。未熟で失敗ばかりするも、その度に這い上がってきた。そして渡英4年目には、念願であったF1チームでのインターンも獲得。自分と未来を信じて、夢は叶えられると証明したい。詳しいプロフィールはこちら
ブログ「わたぽんWorld」について
僕、わたぽんの「F1のエンジニアになる」という夢を叶える道を綴るブログ。2014年に運営開始。夢に近づけば近づくほど、更新頻度が減っていきます。
テーマは夢とイギリス留学。僕の生き方が励みになると言っていただくことが増えてきて、とても嬉しいです!
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