F1のエンジニアを目指すのに最適なイギリスの大学
こんにちは、イギリスで大学生してるわたぽんです。
僕のように、F1のエンジニアを目指してイギリスの大学に来る人がちょくちょくいるようです。イギリスはF1の本場なので。
でも、イギリスの大学ならどこでも良いってわけじゃありません。F1と深いコネクションのある大学、就職時に有利な大学があります。
てことで、イギリスの大学の中でも、F1のエンジニアを目指すのにおすすめ、というかここに行かなあかんやろっていう大学を紹介します。イギリスがEU離脱する…なんかで実情は変わっていくかもしれませんし、大学バリューが全てではありません。あくまで参考に。
そもそも、なぜ大学選びが重要なのか?
日本では、就活に有利な会社とかありますよね。イギリスも結構似てます。就職を考えた時に、有利な大学、不利な大学があります。同じFirst Degreeであっても、大学によってとらえられ方が違います。少なくとも、F1チームにとっては。
イギリスまで来て大学と就職のドロドロ話をしなきゃあかんのかい!個人の頑張りじゃないんかい!って思ってましたが、F1のエンジニアの人が実際に言ってたんですから、どうしようもありません。
Visaなんかがややこしい僕らInternational Studentsにとっては、これ、特に重要です。
ただでさえイギリス人やEU生に対して不利な状況なのに、大学でも不利になっていては勝ち目がありません。
せめて大学バリューぐらい、有利に立たないと。
また、よくある勘違いとして、”Motorsports Engineering Course”に入っとけば大丈夫って考えがあります。
イギリスの大学には、モータースポーツに特化したコースがあります。が、それに惑わされちゃいけません。
例えばUniversity of Hertfordshireには”Automotive Engineering with Motorsport“というコースがあります。そしてFormula Student(学生フォーミュラ)でも強いです。でも、F1チームに就職できる人は少ない。なぜなら、大学バリューがないから。就職できないことはもちろんないけど、それはイギリス人にとっての話。International Studentは話が別です。Motorsport Engineeringを学ぶなら良いけれど、F1チームへの就職を目指すなら不足している。これは実際にその大学に言ってたイギリス人の話。
じゃあどこやったらいいねん?
その質問にお答えします。
F1エンジニアを目指すのにおすすめの大学
もしここで挙がっていない大学のことが知りたくても、僕は知りません。ただ一つ言えるのは、「名前が挙がってこなかった」大学ということ。あとの判断は任せます。
University of Southampton
僕はサウサンプトン大学で学んでいます…というお世辞ぬきでも、サウサンプトンはF1を目指すのに必ず名前が挙がる大学です。特に、空力に関してはイギリストップと言っても過言ではありません。
F1界のカリスマエンジニア:Adrian Neway氏の学んだ大学としても有名…まあこれは古い話なので、僕はそんなに参考にしてませんが。
サウサンプトンの優れているところは、大学全体の学術レベルとF1とのコネクション、両方において最強であるということ。とあるF1エンジニアに聞いた話では、「サウサンプトンって言うだけで、既に他の生徒より有利」とのこと。
また、大学院のレベルも高いので、色々な所から優秀でモータースポーツに憧れた人が集まってきます。世界的にもトップクラスのFormula Student TeamでHead of Aerodynamicsをしてた人(2015-2016年では二人も!)がMasterをやっていたり、ギリシャで一番のFormula Student Teamの中心人物なんかPhD生としています。
一つ弱点があるとすれば、Formula Student Teamがまだまだ弱いということ。レースチームにしては、若干relaxしてる部分があります。まあ、僕らがレベルを高めておくのでご安心を。笑
Oxford Brookes University
多分、日本語で「F1 エンジニア 大学」で検索したら一番ヒットする大学。
大学自体は新しく、総合ランキングでも上位ではないです。が、F1に関してはトップクラス。F1界とのコネクションが素晴らしい。今年は2016年はフェラーリやレッドブルに就職が決まってる人がいるみたいですね。プレシーズンテストでは、ルノーF1から生徒数人が招待されたとか。
実際に訪れてみたんですが、Oxford Brookesのauto labはめちゃくちゃでかいです。機材も揃ってるし、実際に目で見て、感じて学ぶには良いかと。
Formula Studentでも強いです。
University of Bath
多分、ここはFormula Studentで有名。イギリスで一番強いFSチームですからね。Formula Studentで強いということは、「良いレースチームの態勢を学べる」かつ、「よりレベルの高いスキルを身に着けられる」可能性が高いです。大学選びにおいて、参考の一つになります。
BathはFSマシンのモノコックをウィリアムズと提携していたり、Adrian Neway氏がわざわざ訪れたりと、F1チームとの関わりも深いです。
細かいところは知りませんが、その辺の事情に詳しい人が”Bath is good.“と言ってました。聞いてないのに。
Imperial College London
イギリスの大学で理系と言えば、オックスブリッジと並んで出てきます。Imperial College London。
一緒にF1目指して空力を学んでる友達と話してたんですが、「(F1を目指すにおいて)サウサンプトンが空力で劣ってるとしたら、それはImperial Collegeしかない。」と言ってました。
地味に覚えておきたいことは、ロンドンという立地。ロンドンほど就職に有利な土地はありません。まあ、F1チームのほとんどはOxford、Northampshireのエリアなので、若干ずれてますが。
ちなみに一般的にはサウサンプトンよりも確実にレベルの高い大学で、入るのもやってくのも難しいです。でもImprialで優秀な成績を修められるようであれば、問題ないでしょうね。Mercedes F1の現Head of Aerodynamicsも、Imperial CollegeでPhDまで修めた強者ですし。
(注意:授業料くっそ高い)
Loughborough University
「F1のエンジニアの温床」ともどこかで呼ばれてたラフバラ大学。ですが、なぜかイギリスに来てから僕はあまり聞きません。なんでやろ。
それでも、大学自体のレベル、今までのF1エンジニア輩出の歴史を見れば、今でもF1を目指すに当たって良い環境なのは、ほぼ間違いありません。
例えば元ロータス、現ハースF1でエンジニアをされてて有名な小松さんは、ラフバラでPhDまでやってましたよね。
おまけ:CambridgeとOxford
わざわざ書かなきゃいけんか…とは思うのですが。
CambridgeやOxfordは、イギリスの大学界において別次元のところにあります。正直、そこに入り、優秀にやってけるレベルであれば、F1チームへの就職だって容易いことだと思います。
学力や能力というより、何を専攻にするか、チームの一員として適切な人物であるか、というようなことを意識しとけりゃ大丈夫でしょう。(適当)
わたぽんのまとめ的なにか
ブログ開設以来、最も書きたかった記事をついに書けました。F1のエンジニアを目指すなら、参考にしてください。
また、大学バリューが全てではありません。
重要ですが、あくまでF1チームにとっては判断材料の一つです。個人として何ができるか、何を成し遂げたか、他のイギリス人に比べ優秀か…優秀な個人でないと、F1チームには入れません。
僕らは不利な状況にあるのです。大学バリューは少しでも”イーブン”に近づけるための策。あとは、個人で頑張ってね。
以上、わたぽんでした。ほなね!
わたぽんの簡単な自己紹介
わたぽん(@wataponf1_uk)
高校生の時に「F1マシンをデザインしたい!」という夢を抱き、F1の中心地:イギリスへ。サウサンプトン大学で宇宙航空工学を専攻中。未熟で失敗ばかりするも、その度に這い上がってきた。そして渡英4年目には、念願であったF1チームでのインターンも獲得。自分と未来を信じて、夢は叶えられると証明したい。詳しいプロフィールはこちら
ブログ「わたぽんWorld」について
僕、わたぽんの「F1のエンジニアになる」という夢を叶える道を綴るブログ。2014年に運営開始。夢に近づけば近づくほど、更新頻度が減っていきます。
テーマは夢とイギリス留学。僕の生き方が励みになると言っていただくことが増えてきて、とても嬉しいです!
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