欲望を目の前に、正しさはかくもむなしい

こんにちは、イギリスで大学生してるわたぽんです。

僕は大学一年の冬、つまりちょうど一年前、自分に約束しました。

「これからは無理な努力はしない」

一回生の1セメスター、僕は大学の勉強に全精力を注ぎました。他のすべてを押し殺して。休むのは休暇でいい、そう思いながら。で、結果はというと、これ。

留学中にふと感じた、日本に帰るべきではないという感覚について
冬の一時帰国。 9月の終りから始まるイギリスの大学で、クリスマス休暇は初めてやっと、一息つけるとき。講義はない。課題もない。僕...

色々見方はあると思うけど、まあ、反動みたいなもの。100%の力で走るのが常に良いわけではなくて、時には70%の力で走る方が、続きます。長期的に見れば、結果的に後者が勝っていたりします。長期的な目標を達成したいのであれば、長距離ランナーである方が圧倒的に有利。

だから、睡眠や食事、このようなことを犠牲にしない生活を意識してました。習慣づけてました。そして息抜きも意識的に。ブログや気楽な動画視聴や読書、以前であれば彼女との電話(遠距離恋愛でした)というようなこと。

結果、一日ごとの進歩は少なくなったと思いますが、途切れ途切れになる僕の悪い癖は収まりました。目論見は成功。

だから今年も、そうするつもりでしたし、途中までそうしてました。健康的で、無理をしないけどちょっとずつ前進する生活。あの日までは。

 

悔しさ

悔しいと言ってるだけじゃ何も変わらない
何も成果がないのに書くのって嫌なんですけど、やっぱり悔しいので書くことにします。 夏頃、僕は未来に思いをはせていました。 ...

この記事を書いたとき、本当に悔しかったです。(今もですけど。)

一緒の立場で、負けてるとは思ってない友人がトップF1チームのインターンの面接に呼ばれ、僕はどこからも声をかけられなかった。ああ、中途半端にやってちゃ、今のままじゃ、本当に夢が夢のままで終わっちゃうなと実感しました。以前自分の立場を、「プロ野球選手目指してる人が、甲子園出場候補校のレギュラーに入れた感じ」と例えました。しかし気づいたのです。所詮8番バッターでしかない現状を。

焦り。

悔しさもそうですが、焦りも。この二つが「健康」や「正しい習慣」、あるいは「楽しく生きるためのライフハック」みたいなものをぶち壊し始めました。

(自虐と自戒も込めて、夏に撮った某トップチームのマシンを…)

 

欲望に導かれるままに

しかし、悔しさや焦りみたいなものは、あくまで”きっかけ”みたいなもの。僕が荒れた食生活と足りない睡眠時間を喜んで謳歌するようになったのは、そんな負の要素ではありません。

 

「欲望」

 

と書くとちょっとやらしい感じもしますが、つまり、「夢にまで見ていた、やりたかったこと」。それが目の前にある時、そのチャンスが今しかない時、健康とか習慣とか、そういうものはいとも簡単に崩れ去ってしまうのです。丁寧に組み立てたジェンガを、好奇心旺盛な猫に弾き飛ばされるように。

いや、もう少し注意深く書くなら、別に習慣を維持することはできました。8時間睡眠をし、決まった時間に食事をすることもできました。でも、”そんなこと”してるのはもったいないなと。

多分、これが例えばお酒であったならば、僕はただのアルコール中毒、アル中です。が、幸い今回の対象は、レースカーのデザインでした。(よかった…。)

高校の時から求めていた役割を、大学のうちから経験することができる。空力デザインをリードできる立場にいる。こんな環境は、今しかないかもしれない。来年は状況が変わるかもしれない。今しかない。NOW!!

7割だなんて言わないで、100%、いやもしかしたら自分の思っていた100%を超えていたかもしれません。それほど本気でした。あくまで僕の中では、ですけど。

大学のパソコンルームが開く朝8時に誰よりも早く行き、夜は毎日のように夜12時まで残る。CFDをする。必死で改善策を考える。風洞テストをする。大学本体の勉強はその後。カフェインの取りすぎを意識してあまり飲んでいなかったコーヒーなんかも、気にせず飲む。ごはんなんて、そこらですぐ買えるフライドチキンとかでいい。というか、食べることさえ忘れてしまう。夜の3時が当たり前になる。

正しい習慣、それは本当の欲望を目の前に、かくもむなしいものでした。

 

どっちが良いのか

正直、これが正しい選択だったのかは分かりません。クリスマス休暇に入り、さすがにペースは緩んでますが、気持ちはまだ抜けてません。もしかしたら、また反動が来るのかもしれません。(それは嫌やな…(´・ω・`))

無理をしない生活と限界を突き抜ける生活の比較、それは他所と20年後の僕に譲りましょう。

でも一つだけ言えること。

それは、達成したことに関わらず、後悔が一切ないってこと。

自分のできる限りを、本気で追究してみた。短期間であったとは言え、得たものも多かったし、予定通りにいかないことも多々ありました。どちらにせよ、僕は今、後悔を全くしてません。これが僕のやるべきことだったと。例え今後、何があろうとも。

正しい、正しくない、良い、悪い…そういう尺度で考えるとちょっと口を濁らせますが、自分の中では首がはち切れそうな勢いで頷いています。

まあ、これでいいんやと。

僕は僕の行いを、正しいとは言いません。むしろ、アホやと言います。睡眠時間を削ってまで何かをしないといけないなんて、それまでの自分に問題があったからだと。自分のアホさ加減に気がづいて、必死で取り返そうとした。そう言えるのかもしれません。

 

わたぽんのまとめ的なにか

この経験は、今後の新しい学びにつながると思っています。寝る時間を削り、不健康な食生活を送ってまで、自分の欲望に捕らわれる。それが良いのかは知る由もありません。一般的には、悪いことの方が多いようですが。みなさんはあまり無理をしないように。僕もクリスマス休暇中は、せめて健康的な生活を意識し、走るペースを少し弱めようと思っています。イギリスに留まってますが、鍋なんて作ってみたりしてさ。

以上、わたぽんでした。ほなね!



わたぽんの簡単な自己紹介

わたぽん(@wataponf1_uk)
高校生の時に「F1マシンをデザインしたい!」という夢を抱き、F1の中心地:イギリスへ。サウサンプトン大学で宇宙航空工学を専攻中。未熟で失敗ばかりするも、その度に這い上がってきた。そして渡英4年目には、念願であったF1チームでのインターンも獲得。自分と未来を信じて、夢は叶えられると証明したい。詳しいプロフィールはこちら

ブログ「わたぽんWorld」について

僕、わたぽんの「F1のエンジニアになる」という夢を叶える道を綴るブログ。2014年に運営開始。夢に近づけば近づくほど、更新頻度が減っていきます。
テーマは夢とイギリス留学。僕の生き方が励みになると言っていただくことが増えてきて、とても嬉しいです!

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プロフィール

わたぽん(@wataponf1_uk)

高校生の時に「F1マシンをデザインしたい!」という夢を抱き、F1の中心地:イギリスへ。サウサンプトン大学で宇宙航空工学を専攻。そして渡英4年目には、念願であったF1チームでの1年インターンも獲得。現在は卒業し、日本でF1から離れ生活中。 詳しいプロフィールはこちら


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