イギリスで食に迷えばケバブを食べに行こう! – イギリスとケバブの密な関係

こんにちは、わたぽんです。

イギリスでは食に関するネタがあとを絶ちません。みんなこうもよく、飽きずにイギリス飯について話せるもんやなとも思うんですが、ふと我に返ると、イギリスで4年が経った今も嬉々としてネタにしてる自分に気づきます。こうやってブログ記事まで書こうとしています。やれやれ。

しかし今回は、みんなが思う”イギリスらしい”イギリスではないかもしれません。イギリスにおける、ケバブについて。そう、むしろ中東。

 

実は僕もイギリスに来るまでケバブについて全く知りませんでした。なんなら興味のカケラさえなかった。だけど今となっては、Twitterでアンケートを取ってみると「留学の人」よりも「ケバブの人」と言われることさえあります。やれやれやれやれ。

しょうがない、事実は曲げられません。
僕はイギリスでの食生活に幻滅していた留学当初の頃、ケバブに救われました。ケバブを食べながら「イギリスも悪くないもんや」と思っていました。だっておいしいし、安いし、手軽だし、これこそ学生の味方。

今回はそんな、ケバブについて書いていきたいなと。
一般的なケバブネタから、ケバブにハマりやすい人の特徴まで。イギリスでの食生活にどこか物足りなさを感じているならば、ケバブが良いスパイスになってくれる…かもしれません。

 

イギリス三大ファーストフードの一角

イギリスの町をうろついていると、日本ではあまり見かけないタイプのファーストフード店がちらほらと見つかります。マクドナルドでもなく、KFCでもない。店は小さく、安っぽいフォントで書かれた店看板。そして道に面した店の正面は、たいていガラス張りとなってる。ガラスにも”Meal Deal!!”とか書いてあったり、メニューがのってたりする。何を売っているのか見てみると、たいてい:

  • フィッシュアンドチップス
  • フライドチキンとピザ
  • ケバブ

この3つ。
店によっては、上記3つ全てを取り扱ってる場合も多々あります。僕はこれを、イギリスの三大ファストフードと勝手にみなしています。フライドチキンとピザを一緒にすることに苦情を受けることもあるけど、この2つはいつも一緒に売られている。まだ幼い双子姉妹のように、いつも一緒に。僕にはとうてい、切り離せません。

フィッシュアンドチップスはまあ分かります。
イギリスの代表食。エースで四番。どんなに知らない町へ行っても、このフィッシュアンドチップスの売り場を見かけると、イギリスや、と一安心します。むしろ町で見かけないと心配に。

しかしケバブ。なぜお前なのか?

イギリスへ来た当初はイギリスとケバブという、見事にアンマッチしたイメージに困惑したものです。

 

イギリスのどこにでもあるケバブ屋

例えば僕の通う大学のあるサウサンプトンを、Google Mapで出してみます。そこで、”kebab”と検索してみてください。

町のいたるところに、ケバブ屋が散らばっていることが分かります。
地図でパッと出てくるだけでこんなけある。実際地図でパッと出てこないものも含めると、もっともっとあるのを知ってます。だってそこらでも食べたもん。

ケバブを食べだすと、ただ町を歩いていても自然とケバブ屋に目がいってしまうものです。今まで何気なく歩いていた所にも、実はケバブ屋があったことに気づきます。日本におけるコンビニのように。見つけるのは難しいことではありません。

しかしサウサンプトンは、比較的大きいとされる街。ロンドンからも1時間半で、南海岸沿い。イギリスでも比較的賑わっている地域でもあります。亜種な店がたくさんあったって、おかしくない。

 

そう思いながら足を運んだ、春のコーンウォール。

イギリス本島南西部の、半島になった部分のその先っちょ。ロンドンからは電車で5時間半。僕はそこでも見てしまいました。町の中心部で当たり前のように売られているケバブを。しかも例えば、観光地でもなんでもない当たり障りのない田舎町に。(実はそのケバブ屋の店主の息子は友達でもあります。笑)

他にもイギリス中部の、電車の最寄駅が車で20分というような所でもケバブを食べたし、イングランド北部のダラムでも食べた。なんならスコットランドのフォートウィリアムズでも食べた。しかもその店はスコットランドケバブグランプリ受賞店と謳っている。驚きました。スコットランドでもそんなグランプリがあるのかと。もはや一大勢力。

 

なぜそんなにも親しまれているのか?
なぜケバブが全国いたるところにあるのか?

移民が多い国、イギリスというのはただの基礎要素にすぎません。たしかに中東系移民もたくさんいます。が、それだけではこうも普及しないはず。

ケバブ繁栄の謎を、共に探っていきましょう。

 

お手軽で野菜も取れるケバブ

ケバブはファーストフードと書きました。

ファーストフードと言えば安くて手軽だけど、栄養が偏り体に悪いというのがごく一般的な印象でしょう。ケバブはその印象を変える…ほどまではいかないかもしれませんが、バーガーやフライドチキンとは違う重要ポイントがあります。それが:

野菜が割と入っている」というポイント。

イギリスで手軽に買えるケバブには、多くの場合、

  • ケバブ(肉:チキン・ラム)
  • サラダ
  • お好みのソース

が入っていて、それらがギリシャやトルコ周辺の国々で食べられているピタブレッド(もしくは薄いラップ生地)に詰め込まれています。それはまるで、サンドイッチの亜種のようでもあり、人々は紙にくるまれたそれをむさぼったり、あるいはフォークでつついたりして食べます。

タンパク質、脂質、炭水化物だけならぬ、各種ビタミンや食物繊維も含まれる、非常に優秀なファーストフード。サブウェイが野菜を推しているというのなら、ケバブだって負けていない。

(ライスと食べれるところもあります。)

 

「ケバブが健康的かどうか、イギリスでは実はこんなことが言われてんねん。」

ケバブについて話していた時、イギリスの友達がおもむろに口を開きました。

「ラムドネルケバブは、一番体に悪いファーストフードと言われてる。その一方で、チキンドネルケバブは最も体に良いファーストフードって言われてんねん。チキンは油分が少ないからね。」

果たして、僕はこのイギリスに語り継がれているのかどうか分からない友人の話を信じる気はありません。チキンケバブにもしっかりと脂質はありましたし、逆にラム肉の脂質は体に良いとさえ言われることも。

ただ、それが油で揚げられたものではなく衣もまとっていない、じっくりと火を通された、あるいは炭火で焼かれたお肉であることはたしか。少なくとも健康という点では、僕はフィッシュアンドチップスよりもケバブに軍配を上げたいと思います。

(そしてこれがケバブ好きの免罪符にもなっている。)

 

気になる価格は、安ければ£3.5ぐらいから(おいしいとは言わない)。
おいしく食べようとすれば、£4~£5.5、ロンドンなら£5.5~。日本円の感覚では、500円~1000円の間。普通に外食しようとすれば少なくとも£10ほどは取られるこの国で、£5ほどで肉をガッツリと食べれるのは十分お得。

何度も言うけど、これこそが学生の味方。
しかしここまで読んでも、まだ感覚的には分からない部分があると思います。ここで、僕は一つの個人的ステートメントを挙げたいと思います。

 

イギリスにおけるケバブは、日本におけるラーメン。

ケバブについて感覚的に理解するには、ラーメンに例えるのが良いと常々思っています。

例えば価格的にも500円から食べられるというお手軽さ。そして比較的早く出てくるというスピーディーさ。濃い味が好きな人をも満たしてくれる、しっかりとした味…。

中でも、ケバブとラーメンの感覚的近さを示しているのが、深夜の時間帯。

日本では、飲みに行った帰りにラーメンを食べるという、なんとも太りそうな行動がよく見られます。真夜中にラーメン屋に列をなす人々に、理解をできなかったこともありました。お酒を飲み始める前の頃です。

イギリスに来ると、こちらはこちらで人々はよくお酒を飲みます。イギリスでは大衆的なクラブで飲んで踊った後、いつも重大な決断を迫られます。それが、

「ケバブ食べる?それとも何も食べずに帰る?」

深夜3時にケバブやと!?!?
最初はそう思いましたが、深夜は意外とお腹が空いてる。そしてお酒が感覚を麻痺させてる。その結果、人々は吸い込まれるようにケバブ屋に足を運びます。だから大衆的なケバブ屋が一番賑わっているのは、深夜。

逆に、深夜に開いている店といえば、ケバブ屋なんです。よく観察してみると、幾つかのケバブ屋はクラブやバーのすぐ近くにあり、営業時間は夜からだけだったりします。

そのせいもあってか、イギリス人の間では「ケバブは夜遊び後に食べるもの」として、普段の晩御飯やランチにはしない傾向はあります。この点は、四六時中ラーメンを食べてる人を見かける日本とは違うかもしれません。

 

とは言え、みんながみんな、ケバブを好んでいるわけではありません。例えば周りの日本人留学生の中でも、僕がどれだけ力説しても、ほとんど興味を示さない・食べない人はいます。

僕は悲しかった。

なんで、食べないのか?うーん、おかしいなー。そう思いながら色々喋ってると、あることに気が付きました。

 

ラーメン好きはケバブが好き?

思えば、ケバブがハマる人の多くに共通の食の好みがありました。それが、日本に帰ったらラーメンを好んで食べているということです。

日本に一時帰国した時などに、ラーメン、あるいはとんかつや鶏のから揚げなど、濃い味を定期的に食べている人。そういう人は一定数います。

彼/彼女らがイギリスに来て困るのは、しっかりと味のついたジューシーで手軽なものの種類の少なさ。

フィッシュアンドチップスを何度も食べるわけにはいかないし、第一塩とビネガーかけなきゃあれほど質素な料理もない。フライドチキンやピザにだって飽きは来る。そしてここはイギリス。簡単に作れても、味がついてない…みたいなことは、往々にあります。

そこにケバブという、日本ではあまりなかった選択肢を掲示すると、面白いように「うまい!」「これはいける!」と言ってケバブ会員になってくれます。中には休み期間中に東欧旅行へ行き、なぜかケバブを求め彷徨った人もいました。

一方で、ケバブにハマらない人というのは、日本にいても「ラーメンはたしかに食べることもあるけど、別に頻繁に食べるってわけじゃないな」という人が多い。どちらかというと、カフェごはんなんかを好む傾向の人。そういう人は、誘えばケバブを食べるものの、自らケバブを食べに行ったという情報をほとんど聞きません。無理もないでしょう。どこにいたって元々頻繁に食べるタイプの物じゃなかったんですから。

こういう意味でも、イギリスにおけるケバブは、日本におけるラーメンのようなもの。

これに気づいてから、ケバブを勧める時に悲しい思いをすることが少なくなりました。信憑性は知りません。めでたしめでたし。

 

わたぽんのまとめ的なにか

ケバブはもはや、立派なイギリスの食文化の一片を担う存在。

もし日本でラーメンのようなものを好んで食べていたなら、ケバブは良い代替品かもしれません。そしてイギリスで何年も過ごせば、代替品ではなく一つの選択肢として心に刻まれることでしょう。ただし、最初のケバブはちゃんとおいしいところに行きましょうね。中にはおふざけのようなケバブもあります。(おいしいケバブ屋とその見つけ方はいつか別記事で!冒頭写真のようなおいしいジューシーケバブも…!)

また、イギリスの道端でラーメンを食べたいと嘆いている日本人を見かけたら、是非ケバブをお勧めしておいてください。きっと、その人は救われることでしょう…。

以上、わたぽんでした。ほなね!



わたぽんの簡単な自己紹介

わたぽん(@wataponf1_uk)
高校生の時に「F1マシンをデザインしたい!」という夢を抱き、F1の中心地:イギリスへ。サウサンプトン大学で宇宙航空工学を専攻中。未熟で失敗ばかりするも、その度に這い上がってきた。そして渡英4年目には、念願であったF1チームでのインターンも獲得。自分と未来を信じて、夢は叶えられると証明したい。詳しいプロフィールはこちら

ブログ「わたぽんWorld」について

僕、わたぽんの「F1のエンジニアになる」という夢を叶える道を綴るブログ。2014年に運営開始。夢に近づけば近づくほど、更新頻度が減っていきます。
テーマは夢とイギリス留学。僕の生き方が励みになると言っていただくことが増えてきて、とても嬉しいです!

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プロフィール

わたぽん(@wataponf1_uk)

高校生の時に「F1マシンをデザインしたい!」という夢を抱き、F1の中心地:イギリスへ。サウサンプトン大学で宇宙航空工学を専攻。そして渡英4年目には、念願であったF1チームでの1年インターンも獲得。現在は卒業し、日本でF1から離れ生活中。 詳しいプロフィールはこちら


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