日本最大のScience Fair “Japan Super Science Fair”とはどんなイベントか?
Japan Super Science Fair(JSSF)について、知ってる人は少ないでしょう。
JSSFとは立命館高校が主催する、Science Fairのことです。
(Science Fairが何か分からない方は、こちらの記事をどうぞ:高校生のための国際的イベント”Science Fair”の4つのオススメポイント)
僕にとっては、文化祭とかよりはるかに有意義で、達成感がありました。高3では、JSSFの生徒実行委員長になったりと、深く関わってきました。
JSSFについて、もっと多くの人に知ってもらいたい。いや、知ってもらうべき。
そう思い、JSSFについて紹介することにしました。
まずはJSSFで何をするか、次にJSSFの魅力について書いています。
(研究発表の写真)
世界に誇れるイベント
JSSFは20近くの国と地域から、100人以上の海外生が参加する、国際的な科学イベント。
立命館高校の生徒が主体となり、毎年11月の5日間で行われています。もちろんすべて英語。
このJSSFの元となってるRits Super Science Fairが始まったのは2003年。世界初のScience Fairでした。
JSSFでは、科学、英語、そして文化での交流ができます。
どんなことをするかというと…
・Oral Presentation
生徒がそれぞれの国の学校でしてきた研究について、英語で口頭発表。
・Science Zone
科学に関するアクティビティ、コンペティション。「ゆでる前のスパゲティを使って、強度の高い橋を作る」や、「どのチームが最も速いソーラーボートを作れるか!?」など。国籍の違う生徒とチームを組み、取り組みます。
・Science World
最先端の科学に関する講演を聞けます。生徒は自分の興味あるブースを事前に選択できます。
・Lunch Party
ビュッフェ形式で、参加者が交流を楽しむ時間。海外生とたくさん話せる、最高の場。
・Cultural Performance
それぞれの国の生徒が、その国の文化発表をします。まさに国際的な文化祭みたいな感じ。
・Sightseeing
観光もあります。金閣寺や清水寺に行って、四条界隈で自由に京都の町を楽しむ。
・Industrial Tour
企業見学。月桂冠や日本新薬などに訪れます。
他にも日本文化紹介など、毎日盛りだくさんのスケジュールです。
ちなみにこれは、僕が校内の生徒向けに作ったプレゼンスライドです。
JSSFの魅力
(1)集まる生徒がすごい!
ただてきとーに、海外から生徒を寄せ集めたのではありません。正直、気軽にしゃべりかけていいの?と思うような、超一流校の生徒も。
例えばタイから参加している学校の1つは、科学系のオリンピックのメダル常連校。
シンガポールからはアジアTOP3の大学、NUSの付属校生がやってきます。
日本国内からも、毎年東大合格者を多数だしてる筑駒の人がやってきたり…
ああ、ものすごい劣等感(笑)逆にそれが、英語などの勉強のモチベーションにもつながりましたね。
(2)優劣をつけない
JSSFでは、この研究は他のより優れている、というような評価をしません。
優劣をつけるのではなく、交流が目的です。
それはランチパーティーなどの場でも同じ。他国の生徒と気軽に話して、交流を楽しみます。
だから雰囲気は和やかで、楽しいのです。
(3)英語漬け
ゲームソフトの名前じゃありません。
5日間、英語で行われるイベント。英語を使おうと思えば、なんぼでも使える環境がそこにはあります。もちろん日本人どうしで固まっていては、使う機会などほぼ訪れませんが。
また運営側としては、英語での運営なので、事前に英語の練習をめちゃくちゃします。発音矯正はほんとキツイ。おかげで英語力の強化になりました。
(4)研究のレベルに驚く
海外の高校生が、どんな研究をしているのか。中には薬品関係の研究を、意味分からん化学式をバンバン使ってしていたりと、たくさんの刺激を受けます。
(5)海外生を英語で観光案内
あなたは自分の住む地域の観光案内を、海外の人にしたことがありますか?
日本人ならスルー、でも海外の人は興味津々。そんなことがたくさんあります。
初めての人は、勝手にどっか行ってしまう海外生に手を焼くことも。
英語もたくさんしゃべれて、とても良い経験になるはずです。
(ランチパーティー中の写真)
(ポスターや、オープニングやエンディングの動画も、すべて生徒作成)
JSSFの現状
最後に、JSSFの現状について書かせていただきます。
僕は実行委員長をしてたこともあり、メディア対応も経験しました。
でも、日本の新聞社やTVはそんなこと興味ない、という感じです。
なぜって??記事にするほどじゃないと、思われてるから。
メディアはこういう活動を広めるよりも、事件とかの方が大好き。取材に来ることがあっても、「おもしろいですね~」と言いながら、たいてい記事にしない。
おかしくない?
グローバル化だ!英語話せるようになれ!って言いながら、JSSFのような、高校生を中心に行っている国際的イベントを取り上げようとしない。
イギリスで同じようなScience Fairが行われた時は、ラジオの生放送に、地元新聞でも1ページ使って報じてましたよ。
それに対して日本は…この点に関して、日本のメディアはおかしいと思います。
本当は僕も、SNSを使って情報発信していきたかった。
けれど僕個人の力では、動かせないことでした。
JSSFは参加した生徒だけが得するんじゃなく、日本でもこんな活動が既にあるんや!と多くの人に知ってもらうことも重要だと考えています。
僕はJSSFを通じて、英語や海外のことだけでなく、日本の良い文化も学べたと思います。
おもてなしについてや、京都という街の良いところ、様々な日本文化などです。
その反面メディアなど、日本の嫌なところも目の当たりにしました。
こういうことも含め、JSSFは間違いなく、僕のライフイベントの1つです。
これを知らないのは、本当にもったいない。ぜひ多くの人に知ってもらいたいです。
わたぽんの簡単な自己紹介
わたぽん(@wataponf1_uk)
高校生の時に「F1マシンをデザインしたい!」という夢を抱き、F1の中心地:イギリスへ。サウサンプトン大学で宇宙航空工学を専攻中。未熟で失敗ばかりするも、その度に這い上がってきた。そして渡英4年目には、念願であったF1チームでのインターンも獲得。自分と未来を信じて、夢は叶えられると証明したい。詳しいプロフィールはこちら
ブログ「わたぽんWorld」について
僕、わたぽんの「F1のエンジニアになる」という夢を叶える道を綴るブログ。2014年に運営開始。夢に近づけば近づくほど、更新頻度が減っていきます。
テーマは夢とイギリス留学。僕の生き方が励みになると言っていただくことが増えてきて、とても嬉しいです!
Comment
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初めまして。私は2011年JSSFに参加したSSH校出身者です。
最近JSSFのことを思い出し、あのとき私が参加したJSSFとはどんなイベントだったんだっけ? 今はどうしてるのかな?と気になって検索をしたところ、このページにたどり着きました!
今も当時もらったネックストラップを持っています(*^^*)
JSSFでは、私たちのお世話をしてくれたRitsの子(立命館生が校内でRitsという愛称で呼ばれていることが新鮮でよく覚えています)は、とても明るく親切にしてくれて、わたぽんさんもその中の1人だったのかな、と考えたりしました。
最新ブログ記事を見て、このブログが終わってしまうと知って寂しいですが、いまもきっとJSSFについて知りたい高校生がいるはずなので、皆さんにとても役立つと思います。
そして、留学から帰国して日本でご活躍されるとのこと、頑張ってくださいね!!
Ayakaさん、はじめまして! コメントありがとうございます。
2011年なら僕も参加してましたよ!笑 まだ1年生なので特に仕事してませんでしたが、あの年のフェアは今でも評価の高いイベントでした。Ayakaさんも楽しまれていたことを願います!
あの様な国際的な場を日本でも経験できたのは、学生にとって本当に大きい経験ですよね。運営側だった身としては、今でも覚えていただけていてとても嬉しいです ありがとうございます!