イギリスで飲みすぎて救急車で搬送された話…費用や病院での手当てを紹介

こんにちは、イギリスで大学生してるわたぽんです。

僕は18歳でイギリスに来たので、飲酒関連の”初めて”はほぼイギリスで達成されています。今回、その初めてリストに新たなものが加わりました。

「イギリスで酒の飲みすぎにより、深夜に救急車で病院送り。」

留学生、なにやってるんでしょう。

学費年間300万円ほど払って、飲みすぎで倒れて病院ってアホやん。

こんな自分の醜態を、正直ブログでわざわざ書くべきではないのかもしれません。でもせっかく新しい経験をしたので、病院送りになった様子を覚えている限りで綴っておこうかと。サウサンプトン大学での飲み事情と共に、酔っ払いの記憶をたどります。

 

イギリスの大学生も飲み会大好き

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日本では大学生がワイワイ飲み会で盛り上がってる様子が頻繁に見て取れますが、イギリスでも同じです。そして全体的にイギリス人の方がお酒に強いです。酒飲みも多いです。大酒飲みが多い国ランキングでは、イギリスは世界で8位だそう。

飲み会でドリンクゲームが絡むと、もうそれはえらいこっちゃと言うしかありません。必ず悲劇が生み出されます。

僕が好きなイギリス人のお酒事情を表した言葉は、

Russian are good at drinking, so they drink a lot. British drink a lot, and be drunk.(ロシア人はお酒に強いからよく飲む。イギリス人はよく飲み、そして潰れる。)”

です。昔イギリス人の友達が酔いながら言ってました。
イギリス人はめちゃくちゃお酒に強いというわけではありません。もちろんお酒を飲まない人、飲めない人もいますが、よく飲み、よく潰れる人がかなり目立ってますね。

 

病院送りになった日のこと

事が起こったのは僕が(なぜか)所属しているブレイクダンスソサエティの飲み会ででした。

ブレイクダンスソサエティでは、飲むときはかなり激しくやります。ソーシャル担当の人が大の酒・パーティー好きで、勝手に飲み会の”Survival Guide”まで作るほど。

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別名:”BREAKDANCE BOOZING BIBLE”。
高校では習いませんでしたが、boozeとは”酒”、”酒を飲む”という意味の単語です。BIBLEには、数々のドリンクゲームのルール紹介と、飲み会でのルールが記されていました。(ちなみにこれ読むと英語の勉強にとてもなります。)

今回運が悪かったことと言えば、お酒に強くない人が全然来なかったこと。集まった酒飲みはイギリス人、イタリア人と、僕。毎回吐くニックネーム:Mr. Projectile君(吐物が口から出てくるときの放物線から)や、いつも先に潰れる中国、台湾出身の人たちが全く来ませんでした。ヤバい。

で、夜の7時という割と早い時間から、数々のドリンクゲームが繰り広げられたというわけです。場所はいつも通り、パブ並にお酒が貯蓄されている友達の家です。

そりゃ飲まれますよね。

目の前に危険があることが一目瞭然です。

しかし夜11時までの4時間、僕は耐え抜くことができました。そしてクラブへ行く組とは分かれ、家に帰ることに。

部屋を出ると、「いやー、生き残ったぞ!奇跡や!」なんて思いながら、他の部屋に置いていたジャケットを取りに行きます。着ます。

ブルブル

「あれ、チャック閉まらへん。ちょっと座って、落ち着いて閉めよか。よう飲んだからな。」

ガサッ

「ベッド気持ちいい。」

「あれ、起き上がれへん。」

と友達の部屋のベッドに勝手に寝転がってしました。チャンスをうかがっていたアルコール君達は、今だ!と僕を攻め立ててきます。頭くるくる。もうこのまま寝ちゃった方がいいかな、なんて。

10分ぐらいすると、他の友達二人も帰ることにしたようです。僕もなんとか身を起こして、彼らと一緒に家を出ました。

外に出れば、あとは冷たい冬の夜の空気が、酔いを覚ましていってくれるはずです。歩いているうちに、酔いは覚めるはずです。

歩きます。

 

覚めません。

 

一人で歩けません。

 

友達に支えられつつ、前後左右に歩道を歩く。いつ車道へはみ出してもおかしくありません。「今なら車にひかれてもおかしくない。」と真剣に思いました。

酔っ払いの真剣がどれほど真剣なのかは定かではありませんが。

10分ほど歩いて、店が並んでいるところへでます。他の二人は何か食べたいよねーなんて言いながら、サンドイッチのサブウェイに入りました。多分、これがいけなかった。

待ってる間、サブウェイのトイレで吐こうと思い何度かトライしてたのですが、ツバしか出ません。で、膝をついていたらうまく立ち上がれなくなって、気づいた友達がトイレに駆けつけて、救い出してくれました。

外に出るものの、以前よりさらに酔いが回ってしまい、もう支えなしで立てない状況に。道端のベンチに座ったところで、歩道を口から出る物で汚してしまいました。

ここから記憶が50%ぐらい削れ断片的になります。最初はタクシー呼ぶか?とか友達が話してたはずが、いつの間にか黄色い救急車がやってきて、いつの間にか救急車に積み込まれるベッドに乗せられました。

イギリスでは999で電話して、救急車を呼べます。

分かりやすい発音の英語で、大丈夫か?とか聞かれましたね。小学校での体験学習みたいなので乗った以来の救急車。

友達も救急車に同乗してくれ、一緒にどこかへ。救急車では、誕生日は?住所は?電話番号は?など、色々聞かれました。正直、救急車で運ばれるほどではないんやけどな…などと、救いようのないことを思ってました。

次の記憶は病院の中です。
ベッドの上で何か色々なものを腕などに巻き付けられ、なにか質問された後、(多分)そのままベッドの上で靴を履いたまま寝ました。

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病院によくある、上半身を起こせるベッドです。なぜかその傾斜が45度ぐらいありました。水平な方がよく眠れるのに。

僕が寝ていたのは、ベッドが並んだ病室ではありませんでした。医者や看護師がなにやら働くスペースがあり、その周りに、簡単な壁やカーテンで区切られたブースがいくつかあり、そこにベッドが置かれているような感じです。

僕のベッドは通路の脇にあったので、足先を人がバタバタ通過しているのを見れました。足先部分はカーテンが閉まってないので、僕の寝ている姿は廊下から丸見えです。

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ちなみに病院内での移動はラフで、ふと立ち上がって従業員の横を通りすぎ、トイレにパタパタと行くなんてことをしてました。誰も「勝手に動いて」などと、特に引き止めません。

2回ほど寝て起きてをした後、医者がやってきて、色々言ってました。「自分の限界を知りましょう」とか。なぜか僕の名前を知っていましたが、多分財布に入っていた学生証で確認したのでしょう。保険カードなどは特にないので。そして「大丈夫なら帰っていいよ」と。

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(重症患者のスペースで寝てたみたい)

帰っていいよと言われても、ここどこやねんって感じです。見知らぬ病院の見知らぬ階層の見知らぬスペースで寝てたのですから。

でもしょうがないから、勝手に自分でベッドから出て、すれ違う病院のスタッフに尋ねて、外に出ました。朝の8時。珍しく快晴でした。

そこで財布と家の鍵がないことに気づきます。

焦ってベッドに戻るものの、家の鍵もRedBull F1 Teamの財布もありません。「ま、たいしたもん入ってないしいっか。」とすぐ帰りましたが。

スマホはまだポケットにあったので、Google Mapにお世話になって、歩いて帰宅です。なぜか飲み会にリンゴを持っていってたので、そのリンゴをポケットから取り出し、かじりながら。

その後家についてから、財布と家の鍵は友達が預かってくれていたと分かりました。めでたしめでたし。

 

お金の話。イギリスの保険制度が初めて役に立った時

救急車にお世話になり、まがりなりにも病院で一夜を越したのですから、通常いくらかかかるはずです。しかし今回、一切の費用はかかりませんでした。

イギリスにはNHSという保険があります。
イギリス国民全員が入っているだけでなく、イギリスへやってくる留学生も(強制的に)入っています。以前は完全無料だったのですが、2015年にイギリス国民以外の長期滞在者は、イギリスビザ取得時に保険料を払わないといけないようになりましたね。

このNHSなんですが、例えば風邪とか怪我で対象の病院へ行っても、たいていひどい待ち時間で、場合によっては並んでいる内に風邪が治るレベルです。診察が無料なのは素晴らしいのですが、あまり役立ちません、NHS。

しかし今回は、このNHSが初めて役立ちました。

今回の救急車も病院での一夜も、すべてNHSに含まれていたのです。だから無料。

イギリスの保険制度が役立ったのが、飲みすぎによる搬送だったというのはなんとも皮肉。これ有料にしたら、イギリスの救急事情はかなり儲かるんじゃ。僕の周りでも、飲みすぎで倒れて救急車で運ばれた人が何人もいるので。

イギリス政府は、飲酒により若者が倒れるのを救うためにNHSを続けているのかも。倒れても無料で病院なら、飲む側としては安心感がありますね。

 

わたぽんのまとめ的なにか

イギリスで飲みすぎても、バックアップはしっかりしてます。でも友達といないと悪い人に財布盗まれたりするので、一人では注意しましょう。

以上、わたぽんでした。ほなね!



わたぽんの簡単な自己紹介

わたぽん(@wataponf1_uk)
高校生の時に「F1マシンをデザインしたい!」という夢を抱き、F1の中心地:イギリスへ。サウサンプトン大学で宇宙航空工学を専攻中。未熟で失敗ばかりするも、その度に這い上がってきた。そして渡英4年目には、念願であったF1チームでのインターンも獲得。自分と未来を信じて、夢は叶えられると証明したい。詳しいプロフィールはこちら

ブログ「わたぽんWorld」について

僕、わたぽんの「F1のエンジニアになる」という夢を叶える道を綴るブログ。2014年に運営開始。夢に近づけば近づくほど、更新頻度が減っていきます。
テーマは夢とイギリス留学。僕の生き方が励みになると言っていただくことが増えてきて、とても嬉しいです!

 

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Comment

    • Miko
    • May 14th, 2016

    ご無事でよかったですね。救急車に乗って、病院で一夜を過ごして、医療費が無料、とはラッキ〜です! アメリカでは救急車に乗るだけで日本円に換算して20万円ほどかかります(保険が効かない場合が多いです)。救急病院だと点滴をしてもらって、お医者さんと5分ほど話をして、だいたい8〜10万円くらいです(私が腹痛で夜中に救急病院へ行った時、2時間ほどの滞在でお医者と5分話をした時の金額)。一泊すると個室で30〜40万円くらいです。 
    私の旦那が3ヶ月前に45分で終わるおできの手術をして、その1時間後に自宅へもどってきたのですが、後に病院から送られてきた請求書の明細によると、この2時間弱の滞在でかかった費用が135万円。 
    毎日いかに健康でいるか、そればかり気にして生きています。
    ちなみに、私の友人ご夫婦は心臓がよくないために毎月の保険料がとても高くて、一年間で日本円にして300万円の保険料を払っています(怖) これは保険料なので、このほかに薬代やら医者にかかった時の最低料金を払ったりすると、健康であることがいかにお金をセーブすることに繋がるか、と考えさせられます。

  1.  楽しいイギリス生活、ありがとう。よくやっとるな。今から60年以上前です。学生はコンパとよび、サントリーの安物をハイボールにして騒ぎました。最後はたらいを囲んで一同合唱です。
     しかし、ドクターの注意を守ってください。急性アルコール中毒の恐ろしさ、将来の依存症。日本にINSはありません。

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プロフィール

わたぽん(@wataponf1_uk)

高校生の時に「F1マシンをデザインしたい!」という夢を抱き、F1の中心地:イギリスへ。サウサンプトン大学で宇宙航空工学を専攻。そして渡英4年目には、念願であったF1チームでの1年インターンも獲得。現在は卒業し、日本でF1から離れ生活中。 詳しいプロフィールはこちら


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