【今の気持ち】イギリスでの大学留学生活3年目を迎える前に

こんにちは、イギリスで大学生してるわたぽんです。

僕のイギリスでの留学生活も、3年目に突入します。とその前に、今、僕が感じてることを素直に書き留めておこうと思います。

留学ブログでは、その時々の自分ではなんでもないような気持ちを書き綴るだけで、他の人の価値になりえるので。

留学ブログを書き続けるヒント、意外だったブログの読まれ方
こんにちは、イギリスで大学生してるわたぽんです。 最近新たにサウサンプトン大学に来た交換留学生の方達によると、僕のブログは「...

キーワードは、

  • 進歩
  • 不足
  • 捨てる
  • 帰らない

です。

 

進歩:意外にも目標は達成してきてる

まずは、今の僕を褒めたたえたいと思います。

色々あったとはいえ、2年生にしてFormula StudentのチームでHead of Aerodynamicsに就けたことは、及第点です。通過点でドリンクをもらうマラソン選手の気分。成績もめちゃくちゃ良いわけじゃないものの、許せる最低限は取れている。イギリス人の輪にも、入りだせている。F1の世界に近づいてきてる。

…悪くない。

そして、子供の頃に描いていた小さな理想達を、結構達成してることにも気づきました。

一人暮らししたい。
英語話せるようになりたい。
料理をサッと作れるようになりたい。
お洒落になりたい。
お酒を楽しく飲んでみたい。

まあ、こういうかわいいやつですが。

 

中学から高校にかけて読んでいた漫画「バクマン。」
僕はこの漫画で描かれているような生き方に憧れ、夢見ていました。漫画家になりたいのではなく、「夢を持って、それを叶えるために必死に生きる」生き方をしたかった。

今年の夏、ふと自宅の棚に並んだ「バクマン。」を手に取り、読んでみた。すると、今の自分と重なる部分が増えてることに気づきました。

 

憧れていた生き方を、今、自分でもしている。

 

この発見は、新鮮でした。「ああ、そういえば憧れていたな」と思いつつページをめくるのは、破裂しそうな風船から、空気を抜いてやるようでもありました。そういや、僕が「バクマン。」を読み始めたのは、F1を見るよりも前でしたね。

 

以前、ないものねだりを肯定的に書いたことがあります。もう1年以上も前。

ないものねだりは"あえて"やめない。求め続ける何が悪い?
こんにちは、イギリス留学から一時帰国中のわたぽんです。 ないものねだり。 自分にないものをどんどん欲していくこと。否定的な見...

たしかに、上達をする上である種の強欲さは必要だと思いますが、定期的に、”今あるもの”を見渡してもみるべきです。意外にも、しっかり揃ってます。でも人は強欲だから、少し手に入れると、もっともっと!と欲しくなっちゃうんですよね。

3年目に突入する前に、一度あるものを抱きしめてみます。

「思い描いたこと、割とできてるやん。おめでとう!」

そして必要なところを、もう少し洗練させる一年にしよう。

 

不足:まだまだだ

一方、そう褒めてばかりもいられません。

少なくとも僕は、英語が未だにできているとは思いません。イギリス人4人ぐらいとカジュアルトークをして、完全についてけたらよくできましたで賞が与えられるレベル。

僕が目指してるのは、仕事中は滞りなくコミュニケーションが取れ、仕事外でもイギリス人と気軽な会話をサクサクとし、良い関係を築ける状態。なのに、2年目なのに、僕は未だにできてない。これは決して、褒められることではない。

人前に立って国際色豊かなチームを率いていくというのに、そのトップの英語がままならなければ、なめられる。それだけは、なんとしても避けたい。

英語だけではありません。

空力の知識、コスト感覚、設計の基本…何を取っても、合格点に達していません。夏にレース会社でインターンをした時に、嫌というほど実感しました。レースに帯同した時は、もう自分の無知と力のなさが悔しくて、ホテルに戻る度に、服をベッドに投げつけてた。

イギリスの大学行ってます。
と言うと、世間は嫌でも期待値を上げる。だけど、僕はその期待値を超えていない。それどころか、同い年の日本の大学生に比べても、実力不足は明らか。学生フォーミュラの日本大会で話した日本のとあるチームの空力担当は、僕よりも空力を理解していた。

ある先輩はこう言ってました。

「俺が19歳の時には、既にイギリスに渡ってF1チームに入ってたぞ。お前は20歳になるのに、何もできねーじゃねーか。」

悔しい、悔しすぎる。
でもその通りです。

この一年で、F1レベルまで持ってけるのか?
潜り込めるレベルに持ってくしかない。それは勉学的な能力だけじゃなく、精神的、行動的な意味でも。

まだまだ幼稚です。

 

捨てる:不必要なものを省く作業と痛み

「何かを手に入れるには、何かを捨てなければいけない。」

よく言われることです。

僕は特にこの一年で、様々なことを捨ててきました。そのことについては結構あっさりと書いてきましたが、時には痛みも伴う作業です。簡単に、パッパパッパと捨てられる性格ではありません。たかが知れてるんですけどね。

特にこの夏、最大の懸念だった彼女とも別れることになりました。

何が正解なのか全然分からないけど、こうするべきだったとも言えます。以前、別記事でも書きましたが、僕はF1か彼女かなら、F1を選びます。だから、しょうがない。

仕事と恋人なら、仕事を選んでしまう自分
「F1と私、どっち選ぶ?」 ある日、こんな質問を彼女にされたことがありました。多分何かに酔っていたのでしょう。せこい質問。しか...

とかほざきながら、周りの人にうわーんと頼ったりしてたんですけどね。弱いなあ。

こうやって、どんどん、僕の中は単純化されていってます。
高校卒業後、ギャップイヤー中にどんどん伸ばした触手は、徐々に引っ込められていく。残るのは、高校の時からあった、純粋で、最も強い部分。

結局ここに戻ってくるんやなーと、笑っています。大きな回り道をしたようで。ほんと、弱いなあ。

どこかの誰かが、「人生は自分でデザインするものである」と言ってました。そして僕は、良いデザインとは、熟考を極めた後のシンプルさにあると信じています。どんどん付け足してから、削ってく作業は、まさにシンプルさを生み出すため。この考えを、ずっと忘れないでおこうと思います。

 

帰らない:日本にいる必要はもうない

以前、こんなことを書きました。

留学中にふと感じた、日本に帰るべきではないという感覚について
冬の一時帰国。 9月の終りから始まるイギリスの大学で、クリスマス休暇は初めてやっと、一息つけるとき。講義はない。課題もない。僕...

快適で楽な日本に帰るということは、すなわち逃げである。そう気づいた後、なぜイギリスに来たかを見つめなおし、思いました。「日本に帰る必要、ないやん。」

いや実を言うと、高校の時からずっと分かってはいたのです。が、これでもかというほど意思の弱い僕は、どうしても日本という快適空間から離れられませんでした。

しかし、こんな記事を書いて、よしやるぞ!と言って、自分は変えられるものではありません。もし意識の切り替えと根性だけで自分を変えられるなら、僕はそろそろ神になってます。(今のところ、なれてません。)変えられるのは、行動。そして変わったのは、運の良さもありました。詳しいことは、別記事にゆずります。

今回の一時帰国。京都に帰ってきた時に、特別な感情が全く沸き起こりませんでした。錦市場を歩いてみても、僕は観光客の一人として、居合わせているだけのよう。1年前だと、興奮して和の食材をあさり、これが京都や~とお風呂に浸かってる気分だったのですが。

慣れもあるでしょう。
かれこれ、一時帰国は3回目。ルーティン化してきたともとれます。

それでも、僕は依然として、よそよそしさを感じています。むしろ、イギリスに早く帰りたいとも思っています。

 

「イギリス行ったら帰るつもりはないで。」

この言葉を親に言うのは、実は2回目。
高校を卒業したあたりの頃は、当たり前のように言ってました。でもその頃は、自分の弱さを知ってません。

今回は、それなりに知っています。2年間の留学生活で、嫌というほど自分の弱さを目の当たりにしました。なんちゅう弱い奴やねんと。

そして、ゴールへの道筋が見えています。
何をすればいいか、ハッキリしています。

サッカーの本田圭佑選手は、「ゴールまでの道筋を描けたら、こっちのもん。」と発言してました。

僕も同じ意見です。
道筋が見えたら、こっちのもんやで。

 

日本に帰るつもりがないことについて、この夏、とても印象に残っているやり取りがあります。先日、Facebookでも書きました。

インターン/バイト先を出る時、社員さんの一人に聞かれました。
社員さん「今後どうするんや?」
僕「インターンさせてもらった身で言いにくいんですけど、正直日本に帰ってきたくありません。」
社員さん「おう、それがええ。」

インターン先は、日本のレース会社。レースカーを作ってるんだから、別にそこで働いてたっていい。そう思うかもしれません。環境も悪くなかったです。でも、何か違うような気がしました。
僕のわがままでインターンさせてもらったのに、とんだ迷惑野郎です。

僕の目標は(今のところ)イギリスにあります。Brexitなんかでどうなるか分かりませんが、今は日本に帰る意味はないでしょう。

ばいばい。

 

わたぽんのまとめ的なにか

よく、自分の留学生活をこう表現しています。

「1年目は失敗。2年目にもがきつつも、なんとか足場固めができた。」

さあ、3年目に入る。
道筋が見えてるとは言ったけど、絶対その通りには行きません。良い意味でも、悪い意味でも。今までにない、責任ある立場にもなります。他人をリードする立場に、イギリスで初めてなります。結果を求められます。

どこかの作家が「希望もなく絶望もなく、ただひたすらに書く」と言うのなら、僕は「少しの希望を持ち、絶望の可能性を胸に、ただひたすらに突き進む」と締めくくります。誰やっけなあ、これ言ってたの…。

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以上、わたぽんでした。ほなね!



わたぽんの簡単な自己紹介

わたぽん(@wataponf1_uk)
高校生の時に「F1マシンをデザインしたい!」という夢を抱き、F1の中心地:イギリスへ。サウサンプトン大学で宇宙航空工学を専攻中。未熟で失敗ばかりするも、その度に這い上がってきた。そして渡英4年目には、念願であったF1チームでのインターンも獲得。自分と未来を信じて、夢は叶えられると証明したい。詳しいプロフィールはこちら

ブログ「わたぽんWorld」について

僕、わたぽんの「F1のエンジニアになる」という夢を叶える道を綴るブログ。2014年に運営開始。夢に近づけば近づくほど、更新頻度が減っていきます。
テーマは夢とイギリス留学。僕の生き方が励みになると言っていただくことが増えてきて、とても嬉しいです!

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Comment

    • なはつき
    • September 13th, 2016

    同じ意志の弱い人種として、応援してます!
    僕も頑張ります。

    • ありがとうございます!お互い頑張りましょう

    • YS
    • September 13th, 2016

    以前アイスランドについての記事でもコメントした者です。

    僕も高校を卒業してギャップイヤーを終えもうすぐイギリスの大学に4年間の留学をします。
    僕が行く大学は北部で学部も異なるものになりますが、わたぽんさんと似たような苦労から、誰も経験しないようなものまで様々な出来事があるのだろうと予想してます。

    未だに英語ちゃんと聞き取れるのか(間違いなく苦労するとは思いますが)、勉強についていけるか、様々な不安があります。ただそれと同じくらいワクワクしている自分もいます。

    僕が偉そうに言えることでもないですが同じイギリスで頑張る日本人同士お互い頑張りましょう!

    • >YSさん

      コメントありがとうございます。
      もうすぐイギリス大学生活開始ですか!その頃のワクワク感も、大事にしてください。苦労や失敗を怖がらずに。

      お互い頑張りましょう!

    • M
    • September 25th, 2016

    こんにちは。
    私は今年からファウンデーションで、4年間イギリスに留学するものです。
    今日が入寮日でした。
    正直、他のみんなの英語に全然ついていけず、みんながなんて言ってるのかわからなくて1日目にして心折れそうです。
    あと4年あるのに大丈夫かな…と不安になってしまいました。
    日本でもっと勉強していればな、と思ってしまいましたが後悔先に立たずなので、なんとか頑張ってみます。
    わたぽんさんのようになりたい自分になれたらいいなと思います。
    ブログ更新楽しみにしています^ ^

    • moma
    • October 8th, 2016

    初めまして。いつも拝見させて頂いていました。
    学生の頃から海外に行ってみたいと思っていましたが、無理かなとかお金がないなとか思ってウダウダしてしまい、大学を卒業して2年経ってしまいました。
    ですが、わたぽんさんの「留学で失敗しないで、何するの?」という言葉にハッと気付かされました。怖がってた自分がアホらしくなりました。
    私も留学したら日本には帰って来ないつもりで、海外へ出ます。私はまだもう少し資金の問題で時間がかかりそうですが、頑張って必ず行きます。
    応援してます。

    • 応援、そしてブログを楽しんでいただき、ありがとうございます。
      一筋縄ではいかないこともありますが、お互い頑張りましょう!

    • 卒業生
    • October 27th, 2016

    こんばんは。イギリス中部の某大学を今秋、無事First classで卒業する身のものです。最終学年が近づくにつれ論文も難しくなり脱落者も増えていきますが、これがまた学業の醍醐味で楽しいですよ。将来、わたぽんさんが大手を振ってガウンを羽織れるように願っています。ではまた。

    • コメントありがとうございます。
      成し遂げた者だけが語れる世界…のようなものですね。応援ありがとうございます!

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プロフィール

わたぽん(@wataponf1_uk)

高校生の時に「F1マシンをデザインしたい!」という夢を抱き、F1の中心地:イギリスへ。サウサンプトン大学で宇宙航空工学を専攻。そして渡英4年目には、念願であったF1チームでの1年インターンも獲得。現在は卒業し、日本でF1から離れ生活中。 詳しいプロフィールはこちら


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