留学先について知らないのは、教養のない人間のようなもの

こんにちは、イギリスで大学生してるわたぽんです。

イギリスに来てもう1年以上たって、やっと気づきました。「僕はイギリスについて、あまりにも知らなさすぎる。」非常にもったいないことです。このブログの読者の中にも留学を経験した方、もしくは海外で生活している方は多いかと思いますが、滞在先について、どれほど知っているでしょうか?

留学先について知らないと、損をしているというか、少しもったいないと僕は思います。1年前の僕に、「もったいないぞ」と言ってやりたいです。今日はなぜもったいないと思うのか、うまくまとめられればと思います。

 

あまり知らなくても十分生活できる事実

留学先について詳しく知らない人は多いと思います。歴史、性質のようなもの、慣習、流行り…ある意味留学には、そのような日本とは違う他文化について学びに行くという目的もあります。

しかし実際に現地へ行ってみると、ほとんど何も知らなくても生活できるものです。最低限、本当にこれだけは生きるために必須ってレベルのものは、案外すぐに習得できます。最初は慣れないことだらけでも、最低限のものが分かってしまうと、「もういいや」となってしまいがちです。イギリスでの留学生活にシェイクスピアの戯曲は必須というわけではないし、ビートルズの曲を一切知らないとパブでエールビールを買えないということはありません。身分証明書を忘れてビールを買えなかったことは何度もありますが。

好きになろうと言いたいわけではありません。例えばイギリスでも、ビートルズが嫌いな人はいます。シェイクスピアが嫌いな人だっているでしょう。でもビートルズが嫌いでも、多分ほとんどの人は何かしら知っているんじゃないでしょうか。日本人の多くが「上を向いて歩こう」を(例えどんな曲か分からなくても)知っているように。(推測が多く申し訳ないのですが、かなり確信めいたものはあります。)

 

でも、もったいなくない?

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留学が成功したかどうかの指標のようなものとして、いかに現地の生活・文化に深く関われたかというものがあります。もしあまり深く関われなかったなという人がいれば、「観光客」もしくは「外部からのお客様」のような感覚を、どこかで持たれていた可能性があります。その「お客様」のように思われていた理由は、言語力ではなく、現地の人との細かい部分でのすり合わせに問題があったのかもしれません。つまり現地人として当たり前に知っていることを知らない、振る舞いがない=お客様という感覚です。

それはまるで、基礎教養のようなものでしょう。教養がある人とない人で、実際の生活上大きな問題はないですし、十分楽しく過ごすことができます。しかし両者には目に見えない部分で、なにか大きな違いがあるでしょう。国語の苦手な僕には、うまく説明できない”なにか”です。すいません。

留学においても、お客様かそうでないかは、大きな違いがあります。留学では、留学先の最先端の研究や知識を詰め込めば良さそうに見えます。が、そういう表面上のことだけを吸収しても、どこか薄っぺらい留学として終わってしまうでしょう。いつまでもお客様のままだし、お客様には現地の人も素っ裸の姿を見せられないものです。
だから、現地について様々なこと、深いこと、浅いことを知ることで、「海外からのお客様」から「まるで現地人」に認めてもらうことは、とても大切なことだと僕は思います。

 

留学では相手の文化にどっぷりつかる良い機会

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「お客様でい続けるなんてことになればどうしよう…」と留学に行く前から、必要以上に心配になる必要はありません。僕の知る限り、留学前から現地について何もかも分かっているような人は99%いません。例えば僕のように、「イギリスにあまり興味はないけど、イギリスに来た」という人もたくさんいます。

大切なのは、本を読むことだけではありません。現地で生の情報、第一次情報を自分の手でかき集め、自分の中で咀嚼(そしゃく)していきます。そして本はその情報をまとめる役目を果たすものです。そして、それはもしかしたら本ではなく、現地の映画かもしれないし、何かのスポーツが役目を果たすかもしれません。

留学は、他の国の文化にどっぷり肩までつかれる、良い機会です。もしかしたら、居心地悪く感じるかもしれません。でも留学ですから、いつかは終わります。嫌なら、「ここは私のいる世界ではない」と出ていけばいいのです。

また、文脈でそれとなく勘付いた方もいるかもしれませんが、現地の人との関わりはとても大切です。少しでも気の合う人がいれば、どこまで深く関係を持てるか、試してみてください。
実は恥ずかしながら、僕はまだこの”現地人と深く仲良くする”というのが、完璧にできていないような気がします。一年目にいた寮のフラットメイトと今でも時々ごはんに行くことはあるし、会ったら笑顔で挨拶するイギリス人もいるし、家に泊まらせてもらった人もいます。それでもどこか、僕はまだお客様のような感覚がします。現地の人と仲良くなるのと、現地のことを詳しく知るというのは、同時並行的にやってかないといけないのだなと思います。多分、どちらかが欠けてもダメなんでしょう。と、僕は本を読みつつ、考えていました。

読んでいたのは、「遥かなるケンブリッジ」という本です。数学者が一年間、イギリスのケンブリッジ大学へ研究者として行かれたときに書かれたエッセイです。平成の初め頃に出された本で古い部分も多々感じますが、イギリスについて、留学について、そして海外に住むということについて、よく書かれているなと思います。イギリス留学を考えている方は、一読してもいいでしょう。

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この本、たまたま母校訪問したときに廊下にあった本棚で見かけて、読んでみた本です。意外なところに良本ってあるもんですよね。ちなみにアメリカでの生活についてつづった、「若き数学者のアメリカ」というエッセイも書かれていますよ。1981年出版と古いですが。

 

イギリスのこと、ブログでももっと書きます

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偉そうにブツブツと書いてきましたが、僕はイギリスに留学している身でありながら、イギリスのことは全然知りません。だから、もっとイギリスのこと知らなきゃと思っています。僕は留学というものを、なめていました。特にイギリスは、教養のようなものをとても大切にするお国柄なので、余計にです。
そしてWikipediaの書き写しをしたいわけではないですが、イギリスのことをもっとブログでも紹介できればなと思います。僕もブログも読者さんも、一緒にまとめて成長できれば良いなという感じです。そしてイギリスのことを好きになれて、さらに深く関われるようになれればいいなと思います。一緒にイギリス人になりましょう。料理に力を入れず、曇り空の下でブラック・ユーモアに磨きをかけながら生きていくのです。

 

わたぽんのまとめ的なにか

留学先について知ることは、大切なこと。そして僕はイギリスについて、もっと知らなければならない。伝統に敬意を払って。

以上、わたぽんでした。ほなね!



わたぽんの簡単な自己紹介

わたぽん(@wataponf1_uk)
高校生の時に「F1マシンをデザインしたい!」という夢を抱き、F1の中心地:イギリスへ。サウサンプトン大学で宇宙航空工学を専攻中。未熟で失敗ばかりするも、その度に這い上がってきた。そして渡英4年目には、念願であったF1チームでのインターンも獲得。自分と未来を信じて、夢は叶えられると証明したい。詳しいプロフィールはこちら

ブログ「わたぽんWorld」について

僕、わたぽんの「F1のエンジニアになる」という夢を叶える道を綴るブログ。2014年に運営開始。夢に近づけば近づくほど、更新頻度が減っていきます。
テーマは夢とイギリス留学。僕の生き方が励みになると言っていただくことが増えてきて、とても嬉しいです!

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プロフィール

わたぽん(@wataponf1_uk)

高校生の時に「F1マシンをデザインしたい!」という夢を抱き、F1の中心地:イギリスへ。サウサンプトン大学で宇宙航空工学を専攻。そして渡英4年目には、念願であったF1チームでの1年インターンも獲得。現在は卒業し、日本でF1から離れ生活中。 詳しいプロフィールはこちら


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